クレーム対応が苦手なあなたへ。覚えておきたい「4つの基本手順」
- 目次
「クレーム対応」には王道がある
「クレームを言われると、焦ったり怖くなったりしてしまい、どうすればいいかわからなくなる」、そんなお悩みをよく聞きます。
そんな多くの人から苦手意識を抱かれ忌避されるクレーム対応ですが、
どんなクレームにも上手に対応できる、「4つの基本手順」があるのはご存知でしょうか?
この手順を踏めば、ほとんどの場合、クレームをまるく収めることができます。
クレーム対応の「4つの基本手順」
(1)相手の「心情を理解」し、不快にさせたことを「お詫び」する
(2)何が問題になっているか、「原因・事実確認」を行う
(3)問題の「代替案・解決策」を提示する
(4)再度「お詫び」をし、ご意見に対して「感謝」する
基本手順(1)「心情理解」とお詫び
クレームを寄せるお客さまの心中は、「何か言わなければ気が済まない」という気持ちでいっぱいです。
また、客観的には些細なことに思えるクレーム内容でも、必ず何らかの理由があるものです。
お客さまに冷静になっていただくためには、まずはじっくりお話をお伺いし、
お客さまの心情に深い「共感」を示すことが重要です。
そして不快感を与えてしまったことへの「お詫び」を、必ず述べます。
ポイントは、「聞き役」というよりも「話させ役」に徹すること。
「お客さまの主張を確かに受け止めている」と伝えるために、あいづちやうなずき、復唱を欠かさず行います。
さらに神妙な声色を使った話し方をするなど、「申し訳なく思う気持ち」が相手に伝わるよう、心がけます。
▼やってしまいがちなNGポイント
●お話をじっくり伺う前に、一方的にひたすら謝りはじめてしまう
●お詫びの言葉や傾聴のステップを踏まずに、釈明(言い訳)をしてしまう
●(対面の場合)お客さまの目も見ず、無表情でぼんやりと話を聴いている
●あいづち・うなずき・復唱などの、相手に対する反応がない
基本手順(2)事実確認 ~最低3分間、話を聴く
ある程度お話を伺い、相手の気持ちが収まったら、
クレーム内容を正確に把握する「事実確認」の段階に移ります。
「事実確認」をおろそかにすると、クレームがこじれてトラブルになることが多いので、注意しましょう。
事実を正確に把握することは、適切な「解決策」を提示するために欠かせないステップです。
▼やってしまいがちなNGポイント
●「それは確かなんですか?」など、お客さまを疑うような言い方をしてしまう。
基本手順(3)「解決策・代替案」の提示
クレーム対応の際は、必ず「問題に対してどのように対応するか」という解決策を具体的にお答えします。
お客さまは、困りごとの解決や謝罪の要求など、「何らかの対応」を求めてクレームを寄せているからです。
もし、要望にずばり応えるのが難しいときも、なるべくお客さまの本意に沿う「代替案」を考えて提示します。
クレーム内容が当方のミスだった場合は、問題の再発防止に向けてどうするか、についても触れましょう。
▼やってしまいがちなNGポイント
●お客さまの主張をじっくり聞かないうちに、「こうしたらいい」と対応策を述べてしまう
●「なぜこの対応策を選んだか」「なぜ当初の要望に応えられないか」といった理由が一切ない
基本手順(4)再度のお詫びと感謝を述べ、組織内でクレームを共有する
クレーム対応の「〆」として、けじめをつける意味での「再度のお詫び」と、
業務改善に役立つ貴重なご意見をくださったことに対する「感謝」を述べます。
「手っ取り早く終わらせたいと思っている」といった印象を与えないためにも、
お客さまがお電話を切る・お帰りになる最後の一瞬まで、気を抜かずに対応しましょう。
ここで注意したいのは、、クレームは「解決したら終わり」ではない、ということです。
先述のように、「お客さまの生の声」であるクレームは、
リスク管理・業務改善・マーケティングの3つの分野で活かせる「組織の財産」。
対応記録の組織内への周知報告までが、クレーム対応の最後の仕上げだと考えましょう!