近年、株式市場における売買シェアは、外国人投資家の比率がかなり上昇しています。東証 1 部に限って言えば、2017 年1 月から 3 月の期間においては、シェアが 70-80%という非常に高い水準まで上昇しています。東証マザースやジャスダック市場でも、そのシェアは 25-30%で、年々その水準は上昇しています。また、外国人持ち株比率を見ても、市場全体では約 30%前後で、2000 年以来、ほぼ倍増となりました。こうした環境の中で、外国人投資家に対する IR 対応が、以前にも増して、重要になってきています。国内における英語による情報開示、取材への対応、説明会などでの 2 ヶ国語対応、また、海外に IR拠点を設置する企業も近年増加しています。合せて、海外での IR ロードショーを定期的に開催している企業も多くなりましたが、一部、その開催の方法や現地での不慣れなどにより、必ずしも満足の行く結果を残せていない企業も多いのが現状です。このような背景を受けて、いかに外国人投資家に対する IR 活動を十分に満足行く水準まで引き上げるか、海外 IR ロードショーをどのように実施すべきなのか、といった点について解説します。