企業の事業活動に法令違反の疑いがあるとして、行政機関が企業への調査を実施することが珍しくなくなりました。このような行政機関は、公正取引委員会、証券取引等監視委員会、消費者庁のほか、国土交通省や経済産業省等の一般の行 政機関等様々です。
一方、これを受ける企業にとって、現に調査を実施している行政機関の調査権限、法令上の根拠や、そこで行われる調 査が強制なのか、任意なのかなど、分かりにくいことも多く、どのような対処が適切なのかについて判断に迷うことも少なくありません。しかし、最近頻繁に行われている行政機関の調査について、それを体系的に整理した文献や資料はほとんど皆無で、さらにはその“実態”について見聞きする機会もほとんどないのが実情です。
本講座では、これまで体系的に整理されることが少なかった行政機関による調査の特徴とポイントを、刑事事件の捜査との比較も交えながら、類型別に解説していきます。さらには、いざ企業がこれに直面した際の心構えや、調査の流れ、時系列に沿った対応の留意点等について、具体的事例も交えながら検証していきます。