経理部員が身につけるべき知識は様々ですが、中心となる知識は、会計や税務であることは間違いありません。しかし、経理経験を積んだ方が感じていらっしゃることは、「それでも仕訳で悩む」ということです。
その背景にあるのは、仕訳を起こすために必要なことは会計や税務の「知識」であり、会計基準や税法にその「正答」が存在しているのだ、という誤解です。もちろん、多くの場合「正答」は存在していますが、ビジネス においては、会計基準上、その会計処理が明確になっていない事象に遭遇することが少なくありません。したがって、「仕訳に悩む」ことは当然でもあるわけです。
さらには、取引と仕訳は、常に「一対一」の関係であるとの誤解もあるのではないでしょうか。実務においては、取引が発生すれば、仕訳は1つに自動的に決まるとは限らず、会社の「取引意図」が何であるかによって仕 訳が変わってくる可能性があるということです。
本セミナーでは、上記受講対象者の方々を主な対象とし、「仕訳に悩む=判断に迷う」仕訳の事例を取り上げ、その判断の仕方や考え方を解説します。例として、「直送取引はいつ売上を計上するのか」、「賞与引当金に過不足があった場合、その後どのように考えるべきか」、「固定資産除却損の発生はおかしいのか」、「作業は完了していないが、検収書を入手した場合に売上は計上すべきか」などを取り上げます。
判断に迷う仕訳を起こせるようになる、ということが何を意味するのか、また、その行き着く先や経理部員の目指すべき方向性も、ご認識いただくことが出来るセミナーを目指します。