2019年1月、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会において、「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」が取りまとめられました。本要綱案には、上場会社における株主総会資料の電子提供制度の一斉採用や、株主提案権についての議案の数と目的等からの規律の追加、取締役報酬に関する株主総会決議の規律の見直しなど、株主総会の実務に大きな影響を与える事項が含まれています。また、取締役に関しては、上記の株主総会決議の規律の見直しに加え
て情報開示の充実等も図られているほか、会社補償・D&O 保険契約に関する規律の導入、上場会社等における社外取締役の設置義務付けなど、多面に亘る改正事項が含まれています。そのほかにも、自社の株式を用いた新たな M&A 手法として
の株式交付制度や、社債の管理のため社債管理補助者制度の創設や、会社代表者の住所に関する登記の取扱いの見直しなど、実務上関心が高いと思われる事項が含まれています。本要綱案については、今後、政府・与党内での議論を経て法案
化され、国会で審議されることが予想されますが、次期会社法改正の概要を理解するために、本要綱案の内容を理解しておくことは有益であると考えられます。
本セミナーでは、本要綱案のポイントを整理して説明するとともに、今後予想される会社法改正のスケジュールや、実務における留意点等について解説します。