新型コロナウィルス感染症による上場会社の事業又は業績への影響は多大なものとなっておりますが、今後の With/After コロナにおける事業継 続・事業展開を見据えて、資本増強を含めた資金調達の必要性が高まっています。With/After コロナの資金調達に際しては、足許の業績や株価の低迷を踏まえ、また今後の事業環境の不確実性等も総合的に考慮した上で取り得る最善の選択肢を戦略的に選択しなければなりません。例えば、行使価額修正条項付の新株予約権や CB の第三者割当によることで、株価低迷時にも一定の資金調達の実現が可能であるほか、希薄化や株価への影響などの点でも既存株主の理解を得やすいことが期待できます。その他、行使条件や割当先との合意により、将来の業績及び株価の回復時により有利な条件で調達する可能性を確保したり、将来の更なる資金ニーズに柔軟に対応できるようにするなど、柔軟な商品設計(行使価額修正条項、行使指定条項、行使停止条項、ターゲット・プライス型、複数トランシェ・複数手法の組み合わせなど)も可能です。また、「一部コミットメント型」や「行使価額ノンディスカウント型」といった新しいスキームが登場したこともあり、希薄化を生じさせることなく既存株主から資金調達を行うライツ・オファリングも選択肢となりえます。
その他、英文目論見書を作成せずに行う海外募集(UndocumentedOffering)のほか、普通株式での資金調達が困難である場合等においては種類株式の第三者割当も視野に入れる必要があります。
本講演では、新株予約権等による第三者割当型ファイナンス、種類株式、海外募集、ライツ・オファリングをはじめとした、With/After コロナにおける資金調達の手法につき概説するとともに、このような環境下において実際に企業の担当者が資本市場での資金調達を検討する際に、どのような選択肢があり、いかに選択し、実行していくかについて、法務面と実務面の重要ポイントを中心に、基本的な事項から分かりやすく解説いたします。企業の資本政策・資金調達戦略検討の基礎として、ファイナンスの経験の有無にかかわらず、上場企業の、経営、財務、経営企画、法務のご担当者に是非参加頂きたい講演です。