プロに学ぶ「電話応対の心得」 電話でのクレーム対応でも徹底したい25のポイント
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研修アンケート調査でわかった、プロの電話応対者のモットー
全国の企業・官公庁で、長年にわたり数多くの「クレーム対応研修」「電話応対研修」を実施してきた株式会社インソース。今回は、そんなインソースが行っている研修前アンケートの結果からわかった、「電話応対」のプロたちが必ず実践していることをまとめてみました。
さまざまなクレーム電話にも応対してきた熟練者でも、欠かさず意識するのは「ごく基本的なこと」のようです!
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クレームのお電話に向き合う「心構え」
●お客さまの「プライド」を尊重する。
●クレームは「苦情」ではなく、「強烈なご意見」と考える。
●先入観を捨て、「お客さまの訴えは、ほんとうにあったことなのだ」と念頭に置く。
先入観や発言を疑う心がジャマをして、お客さまの望む対応ができなくなってしまうことがあります。
クレーム対応は、話の内容がどんなものでも「心情理解」からはじめます。
「この人はほんとうにお困りなんだ!」という想像と共感をもって、クレームと向き合います。
お電話を取るとき
●「第一声」には、とくに気をつかう!
●電話を取ったら、まずはごあいさつを。
●3コール以内に電話を取れなかったら、「たいへんお待たせいたしました」
対面では外見が、電話では「声の出し方」が対応者(の属する組織)の第一印象を左右します。
●手元には、あらかじめメモを必ず準備しておく。
聞き違いやカン違いなどの伝達ミスが起こりやすい、お電話での会話。メモとペンは必需品です!
●お客さまをお待たせしない。電話の保留は、なるべく短く!
通話を再開するときは「たいへんお待たせいたしました」と一言つけ加える。
そんな小さな心がけひとつで、電話先の相手に与える印象がぐっとよくなります。
声の出し方
●声のトーンは明るく、普通の話し声よりも少し高めに。
●聞き取りやすいように、はっきりしゃべる。
●対面時よりも、リアクションを大きく見せる。
電話では、「声色」でしか気持ちを伝えることができません。
心情理解(共感)の言葉には、対面でしゃべる以上に気持ちを込めましょう。
▼【例】お客さまのお気持ちを和らげる、「お詫び」のワンフレーズ
・「ご気分を害してしまい/ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」
・「ご迷惑/お手間/お時間をおかけしてしまい、申し訳ございません。」
★事実や状況に即した「心情理解の言葉」も添えてお詫びするのがポイント!
▼【例】「お気持ちを受け止める」ワンフレーズ
・「それは大変でございましたね。お身体の具合は大丈夫でしたか?」
・「たいへんお急ぎだったんですね。」
・「それは、とても不安になってしまいますよね。」
★事実や状況について「復唱」することで、クレームの気持ちを受け止めていると伝えるのがポイント!
お電話での話し方のポイント
●言葉づかいには、やりすぎくらいに気をつける。
●なるべく「方言」が出てしまわないようにする。
「〇〇しても大丈夫です」といった些細な言葉の乱れがきっかけで、クレームが大きくこじれた体験をお持ちの方もいるようです。言葉でしか相手を理解できない電話応対時には、言葉づかいは気にしすぎるくらいがちょうどよいかもしれません。
●専門用語や略語などは、必ずわかりやすく言い直す。
●話すテンポを、相手に合わせる。
クレーム対応では、「こちらの話を聴いてもらう」「わかりやすく伝える」テクニックも重要です。
●相手の話の「主語」と「述語」をはっきりさせ、「話の主体」を明確にする。
●あいづちで、「つまり、......ということですね。」と話の要約を行う。
話を整理できなくなり、相手の言いたいことがわからなくなってしまう。
そんな事態を避けられる、思考と議論の整理に使える会話のテクニックですね。
お電話で「こちらの言い分を伝える」には......
●「こちらの言い分」は、ジャブを打つように小出しにする。
長々と一気にこちらの言い分を述べてしまうと、たとえそれが「正論」でも、
相手に「意見を押し付けられている!」と感じさせ、不快感や怒りを煽ってしまうことがあります。
●「事実」を言ったあと、「推測や伝聞」の情報を言う。
推測や伝聞などのあいまいな情報は、「明確にわかっている事実を述べた後」に言いましょう。
言いたいことの主旨が、さらに明確にわかりやすくなります。
電話でのクレーム対応では、言葉の解釈や聞き違いから「言った言わない」問題が発生しやすいことに気をつけましょう!
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●ウソやでまかせ、誤解を招きそうなことは絶対に言わない。
●憶測でモノを言わない。
あいまいな情報を伝えることは、トラブルを招くリスクです。
自分ではわからないこと・判断できないことがあったら、無理になんとかしようとせず、正直にそうお伝えしましょう。「情報を確認してから折り返す」提案も有効です。そのタイムラグで、相手方が冷静さを取り戻すこともあります。
電話で、お客さまのお話を聴くときは......
●お客さまからの会話は、絶対に遮らない。
「人の話は最後まで聞く」のは一般的なマナーですが、電話でのクレーム対応時には、ことさら徹底すべきポイントです。
クレーム対応の基本は「傾聴」。最低でも3分間は、じっくりお話に耳を傾けましょう。
●お客さまの情報は、正確に聞き取る。不安があれば、何度でも確認する。
情報の聞き取りミス、取り次ぎミスなどはあってはならないことだと考えましょう。
お電話の切り方
●電話はすぐに切らない。相手が電話を切るまで、待つ。
●(固定)電話を切るときは、「がちゃん!」とならないよう気をつける。
終話後すぐに電話を切ると、そっけなく雑な印象を与えてしまいかねません。
こちらが先に切る場合も、「お先に失礼いたします。」などの一言があるとよいでしょう。
ベテランのワザをまねてみよう
いかがでしたか? 「なーんだ、あたりまえのことばかりだ」と思われたかもしれません。
でも、これをいかなる場合も冷静に、常に徹底できるのが電話応対のプロの仕事なのです。
もし、身の回りで「この人の電話での語り方は気持ちがいいなあ」と思うことがあったら、
積極的に真似してワザを盗んで、まねしてみましょう!