研修を語る
2023/10/13更新
クレーム対応研修を語る
【ニーズ】
クレーム対応を上達させ、「顧客満足」と「業務効率」を高めたい。これは、どの組織にも共通する課題です。
クレーム対応はその対応によって、引き続きお客さまに自組織のファンになっていただけるか、ご縁がなくなり、お客さまを失ってしまうかどうかが決まる重要な局面です。よって、クレーム対応が組織において重要なのは、これまでもずっと認識されていました。
近年、顧客志向が強まり、多くの組織が「クレームには改善のヒントが隠れている」と考えています。そのため、クレーム対応は、これまで以上に組織の収益を左右する重要な要素と捉えられるようになりました。
さらに、現場の要望もあります。クレーム対応には時間が必要です。しかし、多くの場合、クレーム対応のみを専門として業務を行っている方はいらっしゃいません。「クレーム対応に時間を取られ、他の仕事をする時間がなくなってしまった」。よく耳にすることですが、だからと言って、他の仕事を犠牲にして良いわけがありません。"クレーム対応にかかる時間を短縮し、業務の生産性を高めたい"。このような現場の要望と、先ほどの組織としての指針が融合し、多くの組織でクレーム対応向上の優先順位が高まっています。
【効果】
お客さまに冷静になっていただき、納得していただけるクレーム対応の手順が習得できる。
組織に寄せられるクレーム数は、年々増えています。今後も残念ながらその数は増える一方でしょう。 しかし、減らせるクレームもあります。それは2次クレームです。2次クレームとは、「なんだお前のその対応は!!」というような、クレーム対応がさらにクレームを生んでしまうことです。 2次クレームを引き起こさないためには、何より「初動」が重要です。従って、研修ではロールプレイングにより、クレーム対応の初動部分を徹底的に反復練習し、習得していただきます。
ロールプレイングのケースタイプは大きく分けて以下の通り、5種類があります。研修で取り組むロールプレイングはお客さまのご要望と職場の実態を踏まえて、事前にご相談の上、決定します。
- (1)当方に不手際がある場合の対応
- (2)当方に非がない、または分からない場合の対応
- (3)とにかく激怒しているお客さまへの対応
- (4)お門違いなクレームへの対応
- (5)悪意のクレームへの対応
【特徴】
ロールプレイングによる徹底的な反復練習によって、
クレーム対応のコツを体で覚えていただく研修です。
頭でどれだけ理屈を理解していても、実際に目の前で誰かに怒鳴られたら萎縮してしまうものです。しかし、何度も反復練習することによって、少しずつ冷静になれる自分を実感していただけます。お客さまに冷静になっていただくためには、まず自分が冷静になることが大切です。「慣れてきた」という自信が、職場でのクレーム対応時にも自分を冷静にさせてくれます。
【重点ポイント】
- ①なぜ上手くクレーム対応ができないのかの理由を理解すること
- ②お客さまに冷静になっていただき、ご納得いただくための手順を理解すること
- ③理解したクレーム対応の手順を体得すること
【研修の流れ】
午前中は手順の理解、午後は徹底したロールプレイングによって手順の体得を図ります。
簡単に、研修の全体的な流れ(一例)をご説明しましょう
(1日7時間の研修の場合)。
多くの場合、午前中に座学、午後からは主にケーススタディを行います。
【午前】
1.クレーム対応が組織において重要な理由を再確認する
- (1)私がお客さまだったら、自組織および自組織の社員・職員に何をして欲しいか?
- (2)CS(顧客満足)とは何か~お客さまの立場に立つ、ホスピタリティが一番大切~
- (3)CS推進のポイント~お客さまの喜びは、働き手への最高の報酬~
2.クレーム対応について理解を深める
- (1)近年のクレームの一般的傾向
- (2)クレーム対応が上手にできない3つの理由
3.クレーム対応の「4つの基本手順」を理解する
- (1)基本手順1:クレーム対応前に「組織を代表している」という意識を持つ
- (2)基本手順2:お客さまの心情を理解し、そのことを行動で示す
「お詫び」「お客さまの話をきく(聞く→聴く→訊く)」 「誠実に対応する」 - (3)基本手順3:事実の確認をする~問題は何か?お客さまのご要望は何か?
- (4)基本手順4:代替案・解決策の提示~「解決策を提示」する
- (5)クレーム対応でそれ以外に注意すべきこと
- (1)当方に不手際がある場合の対応
- (2)当方に非がない、または分からない場合の対応
- (3)激怒しているお客さまへの対応 ~事実の「ジャブ」を打つ
- (4)クレーム対応 ~困った時の対応例
- (5)悪意のクレーム(恐喝的、あいまい、執拗、反復的なクレーム)への対応
- (1)クレーム対応は、組織で対応する
- (2)組織的クレーム対応体制を作る
~犯人探しではなく、クレームが起きた真の原因を追究する~ - (3)月1回1時間のクレーム対応会議で、クレームを大幅削減する!
- A:お客さま役
- B:クレーム担当者役
- C:評価者役
- ①ロールプレイング
- ②評価者からのフィードバック
- ③お客さま役の感想
- ④クレーム担当者役の感想
- ⑤講師からの全体フィードバック
4.ケース別クレーム対応方法の理解
5.クレームの組織対応方法を理解する
【午後】
クレーム対応の「4つの基本手順」を習得する
午後の3~4時間を使って、以下のようなグループワーク、ケーススタディを行います。
【演習】
3人1組でのロールプレイング
3人1組でロールプレイングに取り組みます。
役割は以下の通りです。
評価者は、弊社オリジナルの評価シートをもとに、クレーム担当者役の方の対応を評価し、ロールプレイング終了後、対応者にフィードバックをしていただき、お客さま役、クレーム対応者役の方にも感想をいただきます。
ロールプレイング全体の流れは、以下の通りです。
クレーム対応者役の方は、自分のできていない点などが明確にでき、お客さま役の方も、日常は組織として行なっている対応を疑似的に受けることによって、お客さま視点での気づきがあります。
これを何度も繰り返すことにより、萎縮してしまうような状況に慣れ、少しずつ、しかし確実にスキルアップしていきます。反復練習が重要なので、ロールプレイングは役割を交代しながら、1人が数回はクレーム対応者役を体験できるように進めます。
【演習】
1つ1つお客さまに合わせて作っています
クレーム対応研修ではできる限り、「事前課題」をお願いしています。「事前課題」とは、受講される方自身に「これまで最も困ったクレームの内容」などに答えていただく、Excelシートによる事前ヒアリングのことです。
この事前ヒアリングの内容をもとに、ロールプレイングのケーススタ ディを作ります。そのため、お客さまの実務にマッチした、リアルなロールプレイングの実施が可能です。1件1件ケーススタディを作るのは、非常に時間もコストもかかりますが、妥協することなくお作りしています。
【ひと言】
弊社のクレーム対応研修は、お客さまの視点で考えると同時に、対応者(社員・職員)の気持ちも考えて作り上げました。
「お客さま満足の向上」は、これまで何度も申し上げました通り、クレーム対応研修にとって非常に重要なテーマです。しかし、弊社は、「『お客さま満足の向上』のためには、対応者(社員・職員)が犠牲になっても仕方がない」とは考えていません。それは、コンテンツ作成者および登壇する講師が、どれだけクレーム対応がツライものなのかを肌身で知っているからです。
それゆえ、研修では組織対応の重要性や、職場内でのサポートルールなど、クレーム対応をされる方々の負担軽減を意識しながら研修を進めています。 弊社のクレーム対応研修は、CS向上とともにES(従業員満足)向上にも効果があります。
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