クレーム削減への第一歩!月イチ開催「クレーム対策会議」のススメ
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クレーム対応トラブル、クレーム自体を減らすためにやるべきこと
クレーム防止・削減には、"職場全体で"向き合うべきだと言えますが、
その取り組みや意識を浸透させるのは、一朝一夕ではむずかしいことです。
そこで「組織全体でのクレーム対応力」をじっくり底上げしていくための取り組みのひとつが、
職場での「クレーム対策会議」の実施です。毎月1回、約1時間、定例的に行うのをおすすめします!
クレーム事例を共有すべき理由 ~「傾向と対策」で予習を徹底!
クレーム対応では、「4つの基本手順」のように常に徹底すべきことはあっても、「これさえやっておけば必ず解決できる」といった"決まり手"はありません。また、人の数だけクレーム内容も多岐にわたることから、どうしてもノウハウも属人化してしまいます。
だからこそ、組織全体がクレーム対応力を底上げするには、さまざまなクレーム対応事例を知り、各人が「応対パターンを増やしておく」ことが重要なのです。
【参考】クレーム対応が苦手なあなたへ。覚えておきたい「4つの基本手順」
「クレーム対策会議」開催のススメ
「クレーム対策会議」は、クレーム(クレーム対応にかかる負担)軽減をテーマとして行うミーティングです。下に、クレーム対策会議のポイントを4つまとめていきます。
【ポイント①】会議で目標とすべきこと
●1か月間にクレーム情報、対応スキルの共有
●個々人のクレーム対応のスキル強化
●そもそもクレームが起きないようにするための、業務改善アイデアの検討
属人化しやすいクレーム対応の対応事例・ノウハウなどを共有し、職場全体の対応ノウハウを底上げすることが目的です。
【ポイント②】クレーム対策会議で共有すること
●過去1か月間のクレーム件数
●担当者ごとに、担当したクレーム事例の内容
●クレーム対応で得た「気づき」
(対応でよくできたと思うこと/反省すべきだと思うこと/対応しながら感じたこと など)
●クレーム削減、業務改善のために考えられる対策
たとえば、「こういう主張をされる方にこんな言い方をしてみたら、すんなりご納得をいただけた」「最近、〇〇についてご意見をいただくことが多い」など、クレーム対応で得たさまざまな気づきを共有し合います。これを通じて、たとえばこんな情報を洗い出すことができます。
例:「こんな感じのお客さまがいらして、こんな内容の訴えをおっしゃった」
→ 性格・思考タイプ別の、行動や発言の傾向がわかる
例:「こちらからは、こんな声かけをしたら有効だった/逆効果だった」
→ 自分では思いつかなかった有用なフレーズ、NGフレーズ、効果的な対応の仕方などがわかる
例:「具体的には、当社のここに不満をお持ちだった」「こんなご要望をお持ちだった」
→ 商品やサービス、組織体制のおける改善点がわかる
【ポイント③】会議実施のきまりごと
●毎月1回、定例化すること!
●会議時間は「1時間」に限定する
●扱う内容は「クレーム」についてだけに絞る。他の議題と並行させない
●過去1か月間のクレーム件数も集計し、増減を数字で見られるようにする
会議で挙がった改善点を実行し、1か月後に結果を「数字で」見る、という取り組みを繰り返していくことがポイントです。
【ポイント④】「クレーム洗い出しシート」を準備しよう
クレーム対応での「気づき」を報告するために、担当したクレーム事例を整理するためのシートを準備するとよいでしょう。シートには1人3件ほど、クレーム事例で気がついたことをまとめ、会議で発表し合います。
▼クレームは「6W1H」で整理する!(シート書き込み例)
Who 誰が............〇〇株式会社 △△さま(既存客・男性・40代くらい?)
Where どこで
When いつ............〇月〇日(〇) 午前10時ごろ
What 何があったのか............いらないDMがいつまでも届く
Why なぜ............DM配信担当の設定ミスによる
How どうやって............お電話にて連絡あり、直接お詫び。再発防止策を打つことをお約束
How Much どのくらい............(電話時間)20分ほど
How many いくつ
▼備考(シート書き込み例)
・自分が納得できるまで、とことん質問を繰り返すタイプの方
・ご質問にじっくりお伝えして謝罪を重ね、納得いただく。
・最後は「そういうこともあるね」と共感もしていただけた。
▼クレーム原因・再発防止策アイデア(シート書き込み例)
・多忙によるミスが原因
・ダブルチェック体制がなかったことが原因
→ DM配信担当の増員 + チェックシート作成など
対策会議で得た改善点は行動に示していく
「クレーム対策会議」で社内・職場のクレームを洗い出し、「傾向と対策」がつかめたら、具体的な対応策を検討し、行動していきます。発生頻度が高く、かつ発生するとリスクとなりうるクレームへの対応策から先に策を考えるとよいでしょう。