紹介営業の基本
新規先が取れなくて大変困っています。あまりに困ったので、大学時代の友人に勤め先の会社を紹介してくれるよう頼みましたが、断られました。すごく親しい友人だっただけにショックです。
(友人を失った新規営業担当者)
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「紹介営業」は「既存顧客に頼む」のが基本
業績の高い営業担当者は、自分の既存顧客に新規顧客を紹介してもらうことが圧倒的に多いものです。
良いサービスを受ければ、人は自然と他人に紹介したくなるものです。よって営業にとって、顧客を紹介してもらえるというのは、最高の栄誉です。実際の営業成果を考えても、既存顧客の信用力を借りることができれば、新規先の扉は開きやすいものです。
紹介を誰に依頼するか
紹介を依頼するのは、よい関係を構築できている「お客さま」に頼むのが一番です。
しかし、やたらと紹介を依頼する営業担当者がいます。気持ちはわかるのですが、「紹介」する側も信用に関わるので、迂闊には紹介できません。特に、自分が「良い」と思っていない営業担当者を紹介することは、絶対に無理です。こちらから紹介を依頼する場合には、常日頃より、好印象をキープするのが肝心です。
営業にとっての好印象は、マメさ(できるだけ顔を出す、電話をする、確認をする)です。訪問頻度などから、客観的に好感を持ってもらっているお客さま、最近購入していただいたお客さま、多額の商品を買っていただいたお客さまに頼むと良いでしょう。
その理由は、上記のお客さまはあなたのことを良く思いたいからです。また、他人から、紹介したことを賞賛されて自分のプライドを満たしたいのです。「私の選択は間違いない」と。そんな心理を活用させていただきましょう。
紹介をお願いする際の具体的な方法
実際にご紹介をお願いする際のポイントを記載します。ご紹介のお願いは先方の負担になりますので、以下のことを、厳守してください。
(1)紹介して欲しいお客さまを明確にして依頼すること
「お客さまを紹介して!」だけでは、なかなかご紹介いただけないのが実情です。なぜなら、お客さまはあなたほど明確にあなたの商品・サービスを知らないのです。特に単純ではない商品・サービスを販売している場合はなおさらです。「どんな会社」「どのセクション」「どんな方」など、自分のニーズを明確に伝えて依頼しましょう。
(2)相応の能力のある方に依頼すること
友人であるからといって、地位が高いからといって、影響力の弱い方に紹介をお願いすることは避ける必要があります。「紹介」というのは、なかなか骨の折れるリスクのある仕事です。かなり「できる」お客さまでないと重荷になり、最悪の場合、現在の取引も失ってしまう可能性があります。
(3)お礼は必ずすること
当然ですが、先方への感謝を欠かさないことです。礼状、お礼の電話は当然として、ご紹介の労を取ってくださったお客さまに、今度は自分が見込み客を紹介したり、お客さまの商品を購入することも可能な範囲で実施すべきです。また、お互いコンプライアンス上で差し障りがなければ、相応のお礼はしましょう。
紹介営業で絶対してはいけないこと
1つだけあります。ご紹介をお願いして、上手くいかなかったからと言って、「変なお客を紹介してくれたせいで、うまくいかなかった」などとは、当然ですが絶対に言ってはいけません。どんなに親しくても、その後、そのお客さまは絶対にあなたから離れていきます。