「PGM」と「アコーディア」が兄弟会社に 巨大ゴルフ場グループが誕生

2025年1月31日

「PGM」と「アコーディア」が兄弟会社に 巨大ゴルフ場グループが誕生

ゴルフ場運営最大手のアコーディアと、同2位のPGMが兄弟会社になることになった。実現すればゴルフ場保有数で国内はもちろん、世界でも米国社を抜き最大のゴルフ場グループが誕生する(平和調べ)。

PGMのブランドでゴルフ場を運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)の親会社である平和<6412>が、アコーディアブランドでゴルフ場を運営するアコーディア・ゴルフ(東京都品川区)を買収するのだ。

アコーディアとPGMがこれまで培ってきたブランドや顧客特性などを踏まえ、両社のゴルフ場運営の統合は行わず、それぞれを平和傘下の子会社として運営するという。

ただ、予約サイトやポイントプログラムの共通化などは実施する方針で、利用者の利便性は高まる見込みだ。


アコーディア、PGMの経営を効率化

平和は2025年1月31日に、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループの傘下でアコーディアの持ち株会社であるPJC Investment(東京都港区)の全株式を5120億円で取得する。

平和は、パチンコやパチスロなどの遊技機事業で好不調の波が大きいことから、遊技機専業メーカーから総合レジャー企業へと成長することを目的に、2011年12月にPGMホールディングス(現パシフィックゴルフマネージメント)を子会社化した。

平和傘下入り後PGMはゴルフ場の買収を繰り返し、2024年11月末時点で保有するゴルフ場は148カ所と国内第2位の規模となっており、年間の来場者数は905万人(2024年3月期)に達する。

一方のアコーディアは、2017年にアジア拠点の投資会社MBKパートナーズのTOB(株式公開買い付け)で株式を非公開化し、2022年1月に米フォートレスの傘下に入った。

2022年10月に、ネクスト・ゴルフ・マネジメントを吸収合併したことで、PGMを抜き国内最大のゴルフ場運営会社となり、現在もその地位は変わらず、2024年11月末時点での保有、運営するゴルフ場は173カ所に、年間の来場者数は1202万人(2024年3月期)に達している。

両社ともにゴルフ場の買収に積極的で、PGMは東京、大阪、名古屋、福岡の4大都市圏内のゴルフ場を中心に、アコーディアは東京、大阪、名古屋の3大都市圏のほか、同社のスタイルで運営することによって収益改善が見込めるゴルフ場を対象にM&Aを進めている。

今回のアコーディアの買収後も平和は「引き続きゴルフ事業の強化を行うことで総合レジャー企業として成長していく」としており、今後も大都市圏を中心にM&Aが続いていくものと見られる。

また、ポイントプログラムの共通化などの顧客サービス向上の取り組みと並行して、管理費や仕入コストの削減、システムの統合などを進め、スケールメリットを活かしたアコーディア、PGM両社の経営の効率化を進めるとしている。


売り上げ、利益とも2倍ほどに

平和の2024年3月期の売上高は1363億8100万円(前年度比4.2%減)、営業利益は234億3000万円(同12.9%減)だった。

このうちゴルフ事業の売上高は962億2500万円(同5.0%増)、営業利益は192億5000万円(同32.0%増)で、ゴルフ事業の貢献度が高いことが分かる。

アコーディアは業績を公表していないが、持ち株会社であるPJC Investmentの2024年3月期の売上高は1197億6600万円(同1.5%増)、営業利益251億7800万円(同3.8%増)だった。

平和はアコーディアを子会社化することで、2024年3月期の業績を合算すると平和単体に比べ売上高は1.9倍に、営業利益は2.1倍に拡大し、さらにゴルフ関連の売上高が全体の84.3%、ゴルフ関連の営業利益が同86.5%に達するため、アコーディア買収後は遊技機事業に左右されにくい安定した体制が構築できるとしている。

平和は、アコーディアの買収資金5120億円のうち5100億円は、三井住友銀行、みずほ銀行の両行から借り入れる。売上高1300億円台、営業利益200億円台の同社にとっては大きな負債となるが、企業の成長促進や、経営の安定性の確保にとって今回のM&Aが重要と判断した。


今後もゴルフ市場は拡大

ゴルフ業界は、少子高齢化などの影響で市場規模が縮小傾向にあったが、コロナ禍の中、感染リスクの少ないスポーツとして若者や女性のゴルファーが増え、このところ利用客数が増加傾向にある。

平和では女子プロゴルファーの人気の高まりや、インバウンド(訪日観光客)需要の増加などが見込めることから、今後もゴルフ市場は拡大すると判断している。

他方ゴルフ場業界では、ゴルフ場の会員が退会する際に返還請求ができる預託金(ゴルフ場の開発や改修などに使用される、会員がゴルフ場に預ける資金)の問題が経営を圧迫し、この問題を解決する手段としてM&Aを選択するケースが少なくない。

世界最大のゴルフ場グループが生まれることで、ゴルフ市場にどのような変化が起こるのか、ゴルフ場経営者はもちろん、ゴルファーの関心も集まりそうだ。

配信元:M&A Online

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