オペレーターの手待ち時間をどう使う?
インバウンドのコールセンターで、「受電の量とオペレーターの出勤シフトがマッチせず、手待ち時間が生じる」という声をよく伺います。今回は、予想外の手待ち時間を利用してオペレーターの不安や不便を拾い上げる業務改善をご提案します。
- 目次
待ち時間を利用して業務改善
オペレーター一人一人の意見をヒアリングする
日頃の業務で「××と思っていること」「○○だったらもっと早くできるのに」など、不安・不満・要望を感じていることを吐き出してもらいましょう。
アナログ方式・・・昔ながらのご意見箱や目安箱を設置する
一つの意見を一枚の紙(A4サイズ1/4くらい)に書き、何枚でもいれてもらう。
メリット :匿名性が守られるので、本音を吸い上げることができる
デメリット:ただの悪口大会に終わる可能性がある
わざわざ席を立って紙を入れに行かなければならず、後回しになる恐れがある
データ方式・・・・表計算ソフトなどで共用ファイルを作成し、空き時間に入力してもらう
メリット :データなので、後でグルーピングしたり、管理がしやすい
席にいても空いた時間に入力できる
デメリット:記名を義務付けると本音が出てこない恐れがある
データがある程度集まったら
・集まった意見を、システム上の問題、シフトの問題、商品内容の問題、など
傾向の似たものでグルーピングする
・改善の方法もできれば考えていただき、同様にまとめる
・複数回、あるいはある程度の人数の意見をヒアリングする
このように吸い上げた意見を、下記のように有効活用します。
ヒアリングしたデータの活用法
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上記の傾向をまとめて現場へフィードバックする
(例)
システム上の問題 →システム開発者へ
商品への要望・クレーム →商品開発チームへ
商品知識、商品説明について→営業へ 説明が難しい点などを共有する
クレーム →クレームの傾向、件数を吸い上げるクレーム改善委員会
・組織で改善できるものであればマネジメント層で対処する
(例)お客さまにいつも聞かれることだが、説明が難しい
→集中勉強会を開く、研修カリキュラムに入れる
(例)対社会的意見を求められた場合、企業姿勢としてどんな風に答えるか
→会社広報と相談して定型文化する
・改善策をオペレーターに考えてもらうためにミーティングを開く
(例)クレームにチームで対応するためにどうするか
「20分~30分たったらオペレーターからリーダーに応対を替わる」、など具体的な
アイディアを出し合う
(例)業務の不公平さを感じる場面、お客さまにご不便を強いる場面を改善する
にわか業務改善委員会を立ち上げ、不満を満足に変えるためにどうするか話し合う
実際に業務が改善された場合には「現場からの意見」が反映されたと全センター的に告知することが大切です。自分たちの意見が有効に使われ、業務改善に役立ったと認識されれば、定期的に業務を見直す際も協力してもらえます。
定期刊行物でフィードバックすることも有効です。
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ヒアリングのルール付け(例)
不平・不満を挙げるだけになることを憂慮なさるかもしれませんが、それは、最初の「ルール付け」である程度、回避(予防線を張る)することができます。
・仕事の一部なので「コール同様、肯定表現」で
「××だから出来ない」ではなく「○○だったらできる」にしよう
・他の人の意見は遮らない、否定しない
・全員に発言してほしいと伝える(難しい場合は匿名にするなどして全員提出)
・基本的には何でもいいが、業務に関連したことと、福利厚生的なことは分けて聞く
・すぐに100%の改善は約束できない前提を理解してもらう
・まずは問題を洗い出し、大きな問題、低いコストでできることなど優先順位も提示することが大切
・解決策を話し合うミーティングを開催する場合、メンバーの人選・時間数には配慮や公平さが必要
まとめ
オペレーターが常時稼働しているコールセンターでは、まとまったミーティングの時間を設けることは難しいですね。しかし、コールの手が空いたときに個人の思いを吐き出してもらう仕組みを作ることはできます。早いうちに現場の声を吸い上げるという意味では、ミーティングよりもヒアリングに時間をかけたほうが有効です。オペレーターのちょっとした手待ち時間を有効に使い、不安・不満を早期に発見しましょう。