ワンランク上のリレーション構築 ~お客さまの心を掴むセールス(5)
これまで、お客さまが困った時に頼られる存在になること、それを実現するためのリレーション構築のためのコミュニケーションを強化することを説明してきました。
さらに、お客さまとの関係を強化するためには、信頼関係を構築するだけでなく、購入に向けて、相手の購買意欲の段階をあげていくことが重要です。
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「気づいてもらう」ためのポイント
「自分・自社」にあてはめて考えてもらうように情報を提供していきます。まずは一般的な問題点や同じようなターゲット層の事例を提示したり、関係者や取引先などの第三者の影響力を活用したりして、自分・自社にも当てはまることとして感じてもらいます。
無関心から関心のある状態にリードするところから、徐々にセールスの流れに誘導していきます。
お客さまの購買行動を知る~AIDMA(アイドマ)モデル
お客さまに購入を意識してもらうためには、購買決定プロセスを理解することも重要です。購買決定プロセスの中で消費者心理は変化します。お客さまの状況に応じて、適切な方法を検討し施策すれば購買を促進することが可能です。
一般的に使われる購買決定プロセスにAIDMA(アイドマ)の法則があります。
AIDMAの法則とは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもので、アメリカのローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説です。
AIDMA(アイドマ)の法則は、【認知段階】【感情段階】【行動段階】の3つの段階に区分されます。
例えば、ある化粧品があるとします。
「認知段階」はお客さまが「CMをみた」「サンプルを配っていた」などを知るという段階です。注意(Attention)をひき、知ってもらうということです。
「感情段階」は「好きか嫌いか」「使ってみたい」など気持ちを判断する段階です。その商品に興味をもてば関心(Interest)、良いなとか使ってみたいと思えば欲求(Desire)の段階へ進み、そのときの欲求が強ければ記憶(Memory)されます。
「行動段階」は行動をする段階で、「買う」「使う」という段階です。その商品を見つけた時にその商品を買えば最後に行動(Action)に移ったということになります。このようなプロセスを段階に分け、その段階に合ったマーケティング戦略を考えます。
その段階ごとにお客さまの心理は変わってきますので、お客さまの段階をとらえ、段階にあわせた営業活動をする必要があるのです。
お客さまの事前期待を裏切らない
営業の基本は、「お客さまの期待する情報を、お客さまの期待するタイミングで返答すること」です。
ですから、「お客さまが期待していることは何か?」を常に考えながら行動しなければなりません。「お客さまの期待」とは常に変化しますので、ある程度の関係ができても、それに甘んじることなく、何を期待しているのか追求し続ける必要があります。
お客さまの要望を安易に受けすぎない
営業の仕事とは、お客さまの要望を理解し、課題を明確化し、情報提供し、判断してもらうことです。しかし、営業としての範囲を超えて、やりすぎてはいけません。具体的には、お客さまから「よくわからないから、あなたのところでやっておいて」と言われてはいけません。
本来お客さまがすべきことは、お客さまに任せ、営業としての仕事に集中することが、継続的に維持向上させるため「仕切り」です。
結果に対し常にお客さまから意見をもらう
自社が提供する商品・サービスに対して、正しいフィードバックをすることも重要な営業の仕事です。
お客さまから、結果に対する意見を必ず収集しましょう。不満を言わないお客さまについては、特に注意が必要です。「価格については満足いただけていますか?」「新しいサービスの使い心地はいかがですか?」などの質問を投げかけて真意を聞き出しましょう。