メンター制度で若手の離職を防止する!
労働力人口の減少により売り手市場となっている採用の現場では、ますます人材確保の競争が激化してきています。また、転職自体が一般的になってきたため、少しでも「職場に合わない」と感じたら辞めることを躊躇しない人も増えています。人材確保を担当する人事担当者にとって、「採用は難しいのに転職はしやすい」という非常に難しい状況におかれていると言えます。 そのような中で、採用には力を入れているけれど、離職防止のための施策については十分でない、または効果が出ていないという人事担当者も多いのではないでしょうか。
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なぜ、離職の"兆し"に気付けないのか
転職をする理由は様々ですが、転職を打ち明けられた時に、「そんなことを思っていたのか、もっと早く相談してくれればよかったのに」ということはよくあることです。価値観が多様化している現在、転職を考えるようになる背景も複雑化してきています。しかし、そういった情報はなかなか人事担当者まで上がってきません。
一方現場では、
・業務のIT化による対面でのコミュニケーション機会の減少
・プレイングマネージャーの増加による部下指導にかける時間の減少
などが原因で、人間関係が希薄になっている傾向があります。
そのため、悩みをもつ社員が相談したくても相談できないという状況が職場に生まれています。周囲が気づいた時には、既に転職を決断してしまっていることになりがちです。
一緒に考える先輩が求められる
その上で、近年改めて「メンター制度」が注目を集めています。
メンター制度とは、知識や経験のあるメンター(先輩)がメンティー(後輩)の相談に乗り、キャリア形成の支援や職場における悩みの解決のサポートを行う制度です。
メンター制度は、さまざまな目的で活用されます。
・新入社員の育成や定着化
・中途社員の早期戦力化
・女性の活躍推進
・経営幹部の育成 など
いわゆる仕事を指導するだけのOJT担当者ではなく、仕事の悩みを一緒に考えていく先輩という存在が求められるのです。
特にここ数年は、今まで以上に注目する企業・団体が増えています。女性の活躍を推進するための手段としてメンター制度を活用する例が増えています。出産・育児を経験したワーキングマザーがメンターとなることで、女性社員の継続的な就業とキャリアの支援が可能になります。実際にその他いろいろな要望や悩みをもつ社員の離職率の低下につながったという成果報告もあります。
様々な特性や価値観を持った人材が働きやすい環境をつくっていくことが人材の確保に繋がります。人材の確保が企業の成長を支えている現在、メンター制度の重要性は今後ますます高まっていくと考えられます。