私たちも支配されている!?「パレートの法則」を活用する
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パレートの法則とは
「パレートの法則」、あるいは「80:20の法則」をご存じでしょうか?
これは「重要な20%が全体の方向を決定している」という法則です。多数の問題があるなかで、そのうちの重要な20%を解決すれば、おおよその問題は解決するというものです。自然科学の法則というよりは、経験則の法則といえます。
例えば、「店舗売上の8割は、全商品のうち2割で生み出されている」などです。
今回は身近にある「パレートの法則」の例を元に、採用活動に活かして考えてみます。
例1:「実は試験、本番に強い」
学生の中には、最小の時間で最大の効果をあげる試験に強い人がいます。
誤解を恐れずいいますと、「パレートの法則」を用いると試験問題の80%はその学科に関する20%の知識で十分に答えられるようになっています。つまり、試験に強い人は、その20%が何かを知っている人です。
要領がいいと表現されがちですが、何を捨て何に重点を置くべきかバランスがわかっており、本質を見極める目がある人といえます。
採用活動においては「要領がいい人よりも努力を重ねる人を採用したい」という傾向が強いものです。しかし、例えば営業担当者がお客さまとの会話の20%で本質を見極めることができれば、売上拡大につながる可能性もあります。採用面接の際、求職者の「レスポンスが早い」、「的確な返答を瞬時に返すことができる」などでみることができます。
例2:「柔軟な本の読み方・文章の書き方ができる」
本を100ページ中、20ページを読めばおおよそのことがわかる読み方ができる人がいます。頭から順番に読むのではなく、後書きやポイントになりそうなページから主題を読み解くような柔軟な読み方をする人です。
また、英語の文章で使われる単語の80%は、全単語数の20%にあたる頻出単語であるといわれています。つまり、20%の単語をうまく使いこなすことが重要です。英単語を覚える際に、まず8000語程度を目標とされていますが、その20%にあたる1600語の単語を含むフレーズを覚えるのがよいというものです。理解度の速さに直結しています。
採用試験では、長い文書の要約ができるか、ポイントを理解しているかを確認してみてはいかがでしょうか。仕事の上でもたえず効率を考え、20%の力で読み、書くことができる人材をみることができます。
例3:「成果が出る働き方を考えることができる」
「パレートの法則」でみると、仕事の成果の80%は費やした時間の20%から生まれるということができます。業務上の改善も、問題となっている項目の上から20%が解決できると大きな成果がみられるといわれます。
成果につながる仕事の20%は、何かを抉(えぐ)り出す力を身につけているかどうかです。20%の学びで80%の成果をあげる人材が求められているのではないでしょうか。
採用を「パレートの法則」で考える
改めて、採用活動で「パレートの法則」を用いて考えてみます。
凸凹のない100%円に近いレーダーチャートを持つ人材を探すよりも、20%の突出したスキルを持ち、お互いの弱い部分を担うという考え方も1つです。
例えば、企業SNSの活用に非常に長けているが、言葉使いが頼りない印象の求職者がきた場合。
突出したスキルや才能を活かし、デジタルマーケティング分野で成果の8割を出してもらう環境を整える、などです。
全員が100%になる必要はありません。お互いの弱いところを補いつつ、20%の戦力を最大限に活かし、チームを強化させましょう。