企業価値の維持向上のための経済安全保障対応の実務

受講対象

コンプライアンス部門、法務部門、経営企画部門、海外事業部門、その他関連部門のご担当者様

講義のねらい

報道において「経済安全保障」という言葉を見ない日はない。激化する米中対立、新型コロナウイルス感染症の流行などのサプライチェーンリスクを顕在化させる事象の発生、ロシアによるウクライナ侵攻などの国際情勢を背景に、経済安全保障に対する関心は、近年それほどまでに高まっています。

本セミナーにおいては、企業価値の維持・向上の観点を軸に据えて、民間企業における経済安全保障との向き合い方や、具体的に実施することが考えられる経済安全保障対応について解説します。また、経済安全保障に関係する法令について、その全体像を概観した上で、主にコンプライアンスの観点から意識すべき「遵守すべきルールとしての法令」と、企業価値を積極的に向上させる契機となり得る「オポチュニティとしての法令」に大別し、それらの主要な内容や実務動向を説明します。また、民間企業の経営判断局面において経済安全保障の観点をどのように取り入れるのか、具体的な想定ケースを用いて解説します。

主催団体

本講義は、一般社団法人企業研究会が主催しております。

研修プログラム例

１．経済安全保障の現状
　・経済安全保障に対する関心の高まり
　・経済安全保障の意義（国・政府の立場から）

２．企業価値の維持向上のための経済安全保障との向き合い方
　・民間企業にとっての経済安全保障とは
　・企業価値の維持向上のため、経済安全保障の観点を取り入れる4つの理由
　　（コンプライアンス、レピュテーション、経済合理性、オポチュニティ）
　・平時から求められる情報収集分析と社内共有
　・個別事象に対する、経済安全保障の観点からの対応

３．遵守すべきルールとしての経済安全保障法令
　・経済安全保障に関係する法令の全体像と企業の視点からの整理
　・遵守すべきルールとしての経済安全保障法令
　　（安全保障貿易管理、投資管理、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ役務の安定提供確保に関する制度等）

４．オポチュニティとしての経済安全保障法令
　・オポチュニティとしての経済安全保障法令
　　（経済安全保障推進法に基づく重要物資の安定供給確保に関する制度、先端重要技術の開発支援に関する制度等）
　・オポチュニティを見逃さず、獲得できる確度を高めるための対応

５．経営判断局面における経済安全保障の観点の取り入れ方
　・規制導入や事業売却など、具体的な想定ケースを念頭に置いたケーススタディ
　・民間企業が抱える悩みと、社外アドバイザー等の選択・活用