「顧客と向き合うスキル」が飛躍的に向上する教育法(後編)
- 目次
成果につながる「ロールプレイ」のやり方
目的: 顧客の気持ちに添う(顧客の考えを類推する)訓練を実施する
・「顧客役」「オペレーター役」「判断者」の3名1組でロールプレイングを繰り返すことが有効
・設定だけを大きく決めておく
・セリフは細かくは決めない
・あまりにもリアルすぎる設定もよくない。その組織で「よくある基本的なパターン」を行う
・同じようなパターンを2~3用意して、実際の電話のやりとりのようにやってみる
・もし設備があれば実際に録音してみる
・録音できなくてもやり取りを聞きながら判断者がチェックする
・ロールプレイ後、振り返りのディスカッションを通して気をつけるべき点を明確にする
・「良い応対例」を全員で作りあげていく
自分の声を「聞く」
最近は"自撮り"なんて言葉がありますね。ちまたには"自撮り教室"なるものもあり、SNSのプロフィール画像を良く撮りたいという方々が利用すると聞きます。
声も同じように、録音して聞くことで気が付くことがあります。最初は恥ずかしいと思いますが、自分のクセに客観的に気づく機会にもなります。また、応対が良い人の音声を聞くことも勉強になります。なぜ良く聞こえるのかをメモを取り話し合いましょう。
「ロールプレイ」でセンター全体のレベルを高める
ロールプレイは採用した新人だけに有効なスキルアップ方法ではありません。普段の業務に定期的に取り入れることで、オペレーターにスキルアップの大切さを強く意識させることができます。
例えばクレーム対策会議の後、メンバーで考えた良い対応を3名1組でロールプレイするなどしてみましょう。自分のやり方を変えようとしないベテラン層にも、自然に働きかけることができます。また、前回「ロールプレイの効果を上げるための前準備」でお話ししましたが、グループで基礎練習することでベテランの知識を横展開することができます。
コールセンター業務は孤独になりやすい仕事です。先輩後輩といったチーム力が不足しがちですが、こういったロールプレイの勉強会を通して、センター内のコミュニケーションをとることもできます。普段会話しない人と話し合って共通のゴールを決めることで、センターの方向性もしっかりしてくる、と良いことずくめですね。
【合わせて読みたい】コールセンターのプロになる(2)~インバウンド・クレーム対応編~
【合わせて読みたい】スローガンをうまく活用する! ~「センター」力の向上(3)
まとめ
ロールプレイを通して、「顧客の心情を理解する」スキルを強化し、相手に配慮した電話応対ができるようになります。
顧客側の役を演じた人は「電話をかけてきた人がどのようなことを感じるのか」を自身が体験することができ、電話対応を客観的に省みることができます。「自分は良かれと思ってやっているいつもの対応」が、実は良くなかった。ではどうしたら良いのかを見つめ直し、気づき合うことが教育となります。
いずれの場合でも大切なのは、オペレーター自身でそれを発見していくというプロセスです。ロールプレイと振り返りを定期的に繰り返すことで、顧客と向き合うスキルは劇的に向上することでしょう。ぜひ取り入れてみてください!