華麗なるエスカレーション(二次対応)を目指して 後編
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誰も教えてくれない二次対応
クレームや込み入ったお問合せに対して、オペレーターが対応できない場合、スーパーバイザーなどに対応を引き継ぐことを二次対応(エスカレーション)といいます。
ベテランになると、なかなか人には聞きにくいことも数多くあります。今回は初心に戻って、エスカレーションの基本を学びましょう。
二次対応する前に 準備編
一次応対者へのヒアリング
(1)現在の状況
現在保留中なのか、折り返しのお電話をすることになっているのか
(2)お客さまの状況(お怒り具合・お困り具合)
緊急度レベルがどれくらいなのか
「激怒」「ご立腹」「納得がいかない様子」「強い要望」など レベルはどうか
「お急ぎ」「昨日から折り返しの電話を待っている」「先月も同じトラブルが起きた」など
(3)一次対応者が対応したことを確認する
二次対応をする際に、お客さまに同じことを繰り返してクレームに発展させないためにも、また、同じことを説明させないためにも、一次対応者の対応を確認します。
■6W3Hで状況を整理する
Who | 誰が | How | どうやって |
Whom | 誰に | How much | どのくらい |
Where | どこで | How many | いくつ |
When | いつ | Why | なぜ |
What | どうしたのか |
二次対応のキホン 心編 お客さまの負担に寄り添うには
「また一から説明するのか、うんざりするな」
「もしかしてたらい回しにされているのか?」「あと何分かかるのかしら?」
このように、お客さまの心の中は一回目の電話で解決しなかった不安でいっぱいです。
二次対応で一番大切なことは、お客さまの不安・不満に対して、「きちんと引き継いでいますよ」「チームとして対応していますよ」と体現して安心して頂くことです。
あらためて話を聴く場合は丁寧にお願いしましょう。
(例1)「先ほど対応した者から、請求内容に不備があったと聞いたのですが、よろしければ、改めて、詳細をお伺いしてもよろしいでしょうか」
(例2)「すでに一度、ご説明くださったにも関わらず、同じことをお伺いするのは心苦しいのですが、改めて、状況をお聞かせいただけますでしょうか」
いよいよ二次対応!動作編
エスカレーションフローがある程度準備できたら、次は実際に電話応対を引き継ぐタイミングやルールを決め、周知指示します。
対応1 交代の目安を「時間」を基準として職場で決定しておく
交代の目安は組織や仕事内容によっても違いがありますが、「10分~20分ほど対応をしてもダメな場合は代わる」というように、具体的な基準を決定します。
対応2 エスカレーションされる前に把握する ~「察知する力」の強化
1. 電話に出る(もしくはかける)
(1)きちんと名乗る
組織を代表して対応をしていることを示すために、きちんと名乗る。もし肩書きがある場合には有効的に活用する。
(例)「私、○○チームの責任者をしております●●と申します。先ほど対応した者に代わりまして、私が承ります。」
(2)お客さまを待たせてしまったことについても、きちんと一言、お詫びを伝える
2. 一次対応についてお詫びをする
一次対応者の対応が正しかったとしても「お待たせしたこと」「一度目の対応で解決しなかったこと」などについてお詫びする
(例1)「この度は、先ほどの説明の中で至らぬ点があり申し訳ございません。」
(例2)(お怒りの場合)「先ほどのお電話の中でご不快な思いにさせてしまい、申し訳ございません。」
3. 状況の認識をすり合わせる
お客さまのご要望や一次応対者の説明事項などについて相違がないか状況の確認をする。お客さまには社内で連携がされていることが伝わり、「大事に対応されている」という認識を相手に与える
4. お客さまのお話、ご意見を一区切りするまで聴く
こちらの意見は話さず、とにかくお客さまの胸の内にあるものをすべて出し切っていただく
*「事実」と「解釈(感情)」を整理しながら話を聞き、「解釈(感情)」の部分では心情理解を込めたお詫びが必要
5. 解決策の提示もしくはお詫びの先について言及
お客さまの話を整理し、解決策を提示する。解決策の提示が難しい場合は、改めて心情理解の言葉を添えてお詫びをする
6. 二次対応まで時間がかかってしまったことのお詫びをする
心情理解の言葉を添えることが重要
(例)
「ご不便をおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした。」
「お手間を取らせてしまい /ご心配をおかけし、申し訳ございません。」
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」
「お客さまと同じ立場であれば、私も同じように感じると思います。」
「お気持ちお察しいたします。」「よくわかります。」
まとめ
いかがでしたか?二次対応だからといって難しいことはありません。どんな時も傾聴・心情理解は基本です。一回目の電話で解決できなかったことをお詫びしながらも、より一層丁寧な対応で「あなたと話せて良かった」と思っていただける二次対応をめざしましょう!