■業務改善とリスク管理の両立が求められる現在
近年、仕事の効率化やコスト削減を目的に業務改善が行われる一方で、トラブルやクレームを防止・回避するためのリスク管理に 対する仕事の比重が高まっています。具体的には、業務改善のために「業務プロセスを削減」する一方で、リスク管理のために 「チェックプロセスを増やすべき」など、クルマのアクセルとブレーキを同時に踏むといったような状況になっていることも少なくありません。 確かに、「あっち立てればこっち立たず」のトレードオフの関係になることもあります。しかし、業務改善とリスク管理を対立関係ではなく、 バランスよく両者とも実施していくことも可能です。
■現場の問題をどう見つけるか?
事務リスク管理も通常の仕事と同じで、結局どんな仕事があり、それがどんな性格を有する仕事なのかを正確に把握する事がスタートです。 その上で、現場における問題点を洗い出します。また、あわせて、リスクをはかる尺度を決めていきます。 事務リスク管理は全体最適前提に実施されなければいけません。また、楽しくないと続きません。「リスク管理をしっかりやった結果、仕事も楽になった」という状態がが求められる姿です。 よって、リスク管理は仕事をムリ・ムラ・ムダなく楽しく行う業務改善の考えに基き、仕事の中に潜む危険(リスク)を防止するしくみを手順の中に入れ込むことが重要です。
■業務を整理してリスク管理する実践的方法
(1)「日常業務」「注意すべき業務」「特に注意すべき業務」に分ける
まず、仕事の性格を意識しながら業務を整理することが重要です。 事務リスク上は、業務を3種類に分けるのが実践的です。
(2)過去のミス・トラブル事例の洗い出し
業務の整理にあたって、具体的にミス・トラブル事例にどのようなものがあったかを洗い出す作業が重要です。 トラブル事例があらかじめわかっていれば、実際にミスやトラブルが起きたときの対応策は円滑に進みます。ミスが多発しているような場合は、システム化や標準化によりミスを減らす余地が見つかるはずです。
(3)事務リスクの防止対策検討
業務の課題が掌握できたところで、事務リスクの防止策を検討することになります。
■事務リスク管理研修の実施方法
- ステップ1:業務の整理(1時間)
- ステップ2:過去のミス・トラブル事例の洗い出し(30分)
- ステップ3:事務リスクの防止対策の検討(1時間)