■優れたテキストがあればOJTに頼らなくて済む
研修を内製化する際に必要となるのが、「何を教えるか」という内容、「講師としての教えるスキル」、「教えやすいテキスト」の3つです。すべて大変ですが、特にテキスト(マニュアル)の作成は手間がかかる上、内容を一から作るのも骨が折れます。 「内部統制の導入をきっかけに、時間と費用をかけて業務マニュアルを作ったが、若手に仕事を教える際には、とても使いづらい」「仕事のマニュアルやテキストの類は一切ない」「だから、職場教育はOJTに頼るしかないんだよね」という声が聞こえてきます。 しかし何でもかんでもOJTに頼ってしまうと中堅層が疲弊してしまいます。また実際、教育体系の不備でやる気を失う若手も増えます。テキスト作りを徹底的に行い、現場(中堅層)の負担を軽減しましょう。
■現場のノウハウを整理・活用
実は、テキストの素材は随所にあります。例えば、ベテラン担当者とか仕事の要領が優れた人の引き出しの中には、正式の業務マニュアルではないものの実践的な〝マニュアルもどき"のメモや書類が隠されていることが多いのです。 ただし、上記のような個別の〝マニュアルもどき"は、ほとんどの場合、仕事に必要な商品説明、操作要領などの詳細資料はすべてそろっているが、他の人が見てよく分かるようには作られておらずそのままでは使えません。体系立てて整理し「要約版」を作ることで、分かりやすい研修テキストを完成させる必要があります。
■テキストを分かりやすくする6つのポイント
効果的なテキストには、次の6つの要件が備わっています。
- 全体像が鳥瞰できること
- 仕事において実現すべき事が分かるように「考え方の軸」が示されている
- 何ができたら○(マル)か「到達目標」が数値や明白な行動レベルで示されている
- 実務の確認点が「チェックリスト」で示されている
- 用語の意味、ノウハウ・コツなど、注釈が記載されている
- クレーム・トラブルなどの「事例」を記載し、理解できる様に「見える化」されている
■「テキスト作成研修」の実施方法
- ステップ1:「考え方の軸」「到達目標」を書く
- ステップ2:全体像フロー図の作成
- ステップ3:チェックリストを作る
- ステップ4:ノウハウ・コツを記載する
- ステップ5:他の研修メンバーを活用して完成度を高める
- ステップ6:他の参考資料を添付する(研修後各自作業)