■階層別研修見直しのニーズが増加
部下をもっている上司の方は、大小を問わず、誰しも指導に関する課題をお持ちのことと思います。 弊社では、管理職向けの研修を実施させていただく際、前には、受講者の方々に事前アンケートを行っています。そのうち、「部下とのコミュニケーションや指導において、『苦手なこと、ちょっと自信がない』というのはどんなところですか?」という質問に関して、300名分のアンケート結果を分析しました。その結果、
- ・部下に適切な指導ができない
- ・強いリーダーシップがとれない
- ・部下との接し方がわからない
- ・部下の視野を広げたり、自発的に行動させるよう促せない
という以上の4点が、現在管理職の方が抱えている主な悩みだと分かりました。 そこで、これらの悩みを解決するために、コミュニケーション・部下指導方法の1つとして、「文書指導」をご紹介いたします。
■「文書指導」が有効な理由
「文書指導」が有効な理由には、以下の3点が挙げられます。
- ・"事実"を基にコミュニケーションをとるため、スキルの個人差や部下との相性などの問題がそれほ ど気にならなくなる
- ・文書指導が成功すれば、組織や管理職の判断基準を部下と共有できる
- ・部下が文書を上手に書けるようになると、結果的に報告能力が高まり、仕事の手順も効率化され、業務遂行能力が向上する
管理職の方々は、日頃、部下の文書をみて、「いったい何を言いたいのかわからない」「長いだらだらとした文章で、要領を得ない」「果たして、この部分の説明は必要なんだろうか」という疑問も日々お持ちのことと思います。文書指導は、ポイントを踏まえれば、簡単で、コミュニケーションが苦手と感じる方でも、適切に実施できます。 また、文書指導は、指導効果の即効性も高く、管理職・部下の方ともに、モチベーションが上がります。
■ビジネス文書作成の基本
- 相手の立場に立って書く
- 誰が読んでも読みやすい構造にする
- 「書き手」の立場を明確にする
- 一文は40字~50字程度の短文で
- 主語と述語の一貫性を保つ
- 具体的な内容を記述する
- わかりやすい言葉を使う
■チェックシートを使用した文書指導の方法
- 【ステップ1】文書の形式をチェック
- 【ステップ2】「結論」⇒「理由」の形で書かれているか
- 【ステップ3】内容をチェック
チェックといっても、上司自身が行なうばかりではありません。 部下や後輩に、チェックシートを渡して、自分でチェックをさせる方法も有効です。 また、自分の文書のチェックに抵抗感がある場合には、メンバー内で相互にチェックさせてみる方法もあります。上司が指摘する前に、部下や後輩同士のチェックの中で気付きが生まれてきます。 そこで、改めて文書作成の基本の話をすると部下や後輩の納得感も高まるはずです。