■「上司に自分の考えをうまく伝えられない」悩みは深刻
若手社員本人は「もう自分ではかなりできる」と思っているが、上司から見ると、「まだ、仕事を任すのは無理」という状況はよくあります。以下のように、悔しい思いを感じ、悩んでいる若手はかなり多いと思います。
1.自分の考えが上司に上手く伝えらえず、決裁を得るのに多くの時間と労力を要する 2.お客さまのご要望と自分の考えは合致しているにもかかわらず、なかなか上司の決裁をもらえない 3.上司の指示を理解したつもりで復唱したら「そうではなくて・・・」と再度説明を受けてしまうことが良くある 4.お客さまとは良い商談ができるのに、社内での説得がうまくできず、販売機会をのがしていまいがちである■トップが改革を望む背景
1."組織で必要な論理力"が不足
実は、若手が「上司を説得できない」という場合、組織で必要とされる論理力が不足している事が多いのです。しかし、これは、トレーニングを通じて鍛える事ができます。具体的には、ある事象に対して、下す判断をすりあわせていけば、組織で必要な論理力はだんだん向上していきます。
2.説明の技術が不足
説明技術不足は若手に限らず、よく見られます。具体的には、だらだらととりとめなく長くなったり、「誰が」「何をする」などいわゆる主語と述語が欠落した説明になったりしがちです。これらを改善するためには、最低限以下の3点の重要性を理解してもらう必要があります。
(1)伝えるべき内容を事前に考える (2)伝える内容に過不足がないか確認する (3)適切な時間内に伝える■求む変革人材
論理力と説明力の2つを同時に鍛えるためには、「文書要約」と「1分間の説明演習」が極めて簡単で効果的です。「自分にとってどのような内容が重要か」ということを考えながら文書要約をすると、「自分の部署・会社・業界に有用な情報は何か」を見抜く力がつきます。また、「相手(上司)が求める情報が何か」を考えながら要約を続けると、「ビジネスのポイントはどこにあるか」を見極める力が身につきます。このようなことを意識して、要約を何度も繰り返す事で、徐々に上司とのものの見方のズレはなくなっていきます。また、要約した内容は忙しい上司に伝える事を考え、おおよそ1分程度で説明できる分量、つまり200文字程度にまとめます。(200字程度にするのはかなり苦しいですが、内容を取捨選択する事は説明準備に有効です)次に完成した要約文を1分間で説明する練習を何度も何度も実際に繰り返し声に出して行います。こうした練習をすることで説明の技術は確実に向上します。
■研修体系構築における6つのポイント
- ステップ1:仕事に関係する文章などを200字程度に要約する
- ステップ2:グループワークで成果物を見比べる
- ステップ3:要約の講師解説
- ステップ4:要約した内容を相手のメリットを考えながら説明する準備
- ステップ5:説得する訓練を行う
- ステップ6:第2回研修を行う(後日)