■部長向け研修において「変化する」方法についてお伝えしました
理念や考え方を伝える研修における難しさのひとつが、受講者がそのメッセージを自分の問題としてどのくらい真剣に考えてくれるか、その結果どのように行動が変わるようになるか、ということです。
スキル系の研修では、欲しいスキルをその場で理解・体得でき、職場に戻った後もすぐに実践が可能なため受講者の満足度も高くなることが多いものです。しかし、メッセージを伝える研修は、通り一遍の理論や内容だけでは受講者の心を動かすことは難しく、大切なメッセージが右から左へ流れてしまうことも少なありません。
今回、ある管理職層を対象としたマネジメント研修にてこの課題の解決になるヒントがありましたのでご紹介いたします。
その研修のテーマ、伝えたいことのポイントは「変化することの必要性」と「考え抜くこと」。対象は新任の部長クラスです。
テーマ自体はどこでも叫ばれているものですので、受講者様に、自分自身の問題として受け止めていただくための工夫が必要でしたが、講師の工夫によってクリアすることができました。
■過去の成功事例にとらわれないことが変化に対応する第一歩です
まず、「変化することの必要性」について、過去の成功事例に頼ることからの脱却を強くお勧めしました。
バブル期の右肩上がりの時代とは違い、今は前例にとらわれていると転がり落ちる右肩下がりの時代であることを引き合いに、変化に対応し、自らも変化していくことが最も必要であるとお伝えしました。
「われわれの若いころは・・・」という話をしてしまいがちな受講者層にとっては少々耳の痛い話だったようですが、ご納得いただけその後の講義にも非常に前向きな姿勢で臨んでいただけました。
■ワークを考え抜くことで、未知の出来事に対応する方法が理解できます
今回の伝えるべきこと「考え抜くこと」については、受講者に徹底して考えていただくワークを取り入れました。今回は「現在の日本の観光客数は」という問いに1分でお答えいただきました。このワークのねらいは、「正確な答えを出すことではなく、自分の持てる知識・経験を総動員して考え抜く」ことの重要性をご理解いただくこと。
想定外、未経験の変化に対応する上で、「徹底して考え抜くこと」がとても大切であり、有効であることを知っていただけるワークでした。
■講師の熱い情熱と一工夫のワークを盛り込むことをお勧めします
今回の受講者層は、どの方も豊富な経験と卓越したビジネススキルのある方ばかり。そのような方に今一度「変化」していただくためには、使い古されたような例や理論を伝えるのではなく、講師が熱く真正面から受講者と向き合い、強烈に意識変革を促す講義や、目からウロコが落ちるようなワークによって、ご自身に「変わらないと」という意識を持っていただくことが大切なのです。
同じように、メッセージ性の高い研修を実施する際は、どのように受講者に内容を伝えるかについて、講師と綿密に打ち合わせ、今回の研修にかける情熱をしっかりと伝えること、受講者の関心をひき、研修に打ち込んでもらえるワークをとりいれることをお勧めいたします。
◇◆【研修を語る】◇◆
~インソースのベテラン講師が、研修に対する熱い想いを語ります。