【クレーム事例】修理した壁から漏水?原因不明のクレームに解決が長引く【リフォーム工事会社】
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今回のクレーム対応エピソード
あるお客さまから、「雨や雪が降ると、以前に修理してもらった外壁から漏水するようだ」と、過去の修理不具合についてのクレームを度々いただきます。ときには悪天候のなか、夜間の緊急対応を迫られることも......。
しかし、いくら調査をしても、原因や被害の程度がはっきりしません。この件の担当者は責任感が強く、ひとりで根気強く対応を続けていましたが、最終的には心身の調子を崩して、ついには入院してしまいました。(リフォーム工事会社)
長期にわたるクレームは、複数人で協力して対応していく
クレーム解決のために、長期にわたるイレギュラー対応を求められても、可能な限りでそれに応え、お客さまに誠意を見せることは大切なことです。しかし、現場担当者の力だけでできることにも限界があります。
長期間に及ぶクレームには、一人きりで対応しようとせず、
上司や同僚にも支援をお願いして、複数人で連携しながら対応していきます。
エスカレーションでは、「準備」が重要!
一次対応に難航する今回のような場合に、自分より上席の管理職やスーパーバイザーに対応を交代することを、「エスカレーション」といいます。
とはいえ、エスカレーションの仕組みがあるのだから「丸投げ」も許される、というわけでは決してありません。
一次対応は、いわば「組織の代表者としての対応」を意味します。「どうせ代わってもらえるし......」といういい加減な態度は、相手に伝わります。
自分にできる限りの対応をしてから、引き継ぎのタイミングを見計らいましょう。
クレームを共有し、引き継ぐにあたっては、「クレームの対応状況」や「現在の対応内容」、「お客さまからの要望」をしっかり整理してから伝えます。まずは冷静になって、自分が握っている情報を紙に書き下してまとめるのがおすすめです。
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長引くクレームは「原因究明」をしっかりと
住宅や家電などの「耐久消費財」に対しては、利用開始から一定期間が経ってからクレームが寄せられたり、クレームの解決まで長引いたりするケースが多く見られます。
クレームを長引かせないためにも、その場しのぎの対応を続けるのではなく、早期のうちから本格的に調査を実施し、クレームの原因がどこにあるのかをはっきりさせることが必要です。場合によっては、社外の専門家なども交え、原因究明を徹底しましょう。
「クレーム対策会議」で、情報の共有を
個別のクレーム対応事例は、「ケーススタディ」として、組織全体で共有しましょう。
クレームの内容や対応策を記した「クレームカルテ」を作成して、データベースをつくるのがベストです。
さらに、職場全体でクレーム情報を共有するために、月1回・1時間ほどで定例開催する「クレーム対策会議」が効果的です。組織全体で同じ轍をふまないために、長引くクレーム事例をつくらないよう対策することが、重要なのです。
【まとめ】今回のクレーム対応のポイントは......
●クレーム解決に時間がかかる場合は、一人で抱え込まない。必ず、周囲と連携して対応する。
●引き継ぎ(「エスカレーション」)に備えて、クレームの基本情報を整理しておく。
●クレームの原因究明は、面倒くさがらずに早期からじっくりと。急がば回れ!
●「クレーム対策会議」を定例開催し、長期的な目線でクレーム削減に取り組む。
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