【使えるワンフレーズ集①】「クッション言葉」を習得する
このシリーズでは、お客さま応対時はもちろん、営業・交渉など社内外でのビジネスシーンや、日常生活でも活用できる「ちょっとしたワンフレーズ」をご紹介します。
第一回は、コミュニケーションで起こりうる軋轢(あつれき)を和らげる機能を持つ「クッション言葉」。
これを活用することで、日常生活でもいろいろな「言いづらいこと」をぐっと伝えやすくなります。
- 目次
「クッション言葉」とは何? いつ使うもの?
「クッション言葉」とは、たとえば「恐れ入りますが」「お手数ですが」など、あとに続く言葉や主張の「聞こえ方」がマイルドになったり、いきなり話しかける衝撃を和らげたりする効果があるフレーズのことです。
●相手が別のことに集中しているところに、話しかけるとき
●相談・確認など、時間や手間がかかりそうなことを話したいとき
●相手の都合にかかわらず、お願いごとをしたいとき
●お断りや注意など、相手の本意に反しうることを伝えるとき
このような場合や、お客さま・先輩・上司などにお声がけするとき、とくに使いたい一言です!
クッション言葉があると、聞く側は「心の準備」ができる
人からいきなり「~~してください」「いや、無理です」などと言われて、驚きまごついてしまった経験はありませんか?
とくに「お願い」「お断り」の言葉は、いきなり言われると「命令」「拒否」のように聞こえてしまいがちです。
話のはじめにクッション言葉があることで、相手はじっくり話を聞く心の準備をすることができます。心の準備ができるというのは言われる相手だけでなく、言う自分にとっても同様ですね。
さらに、仮に相手が「忙しいから後にして!」「いきなりそんなこと言われても......」というときも、申し出を断る「スキ」を与えることができ、一方的な主張にならずに済む利点があります。
【ワンフレーズ例】まず「お声がけ」するときの一言
・「お客さま、失礼いたします。恐れ入りますが......」
・「お忙しいところ、恐れ入ります。......」
・「お取り込み中(※)のところ、失礼いたします。......」
※「ご歓談中」「お仕事中」「お食事中」など、相手がしていることについて触れるとGOOD!
・「お急ぎのところ(お手数をおかけして)、申し訳ございません。......」
【ワンフレーズ例】「お願いごと」をするときのクッション言葉
・「たいへん恐縮なのですが、......」
・「たいへん申し訳ございませんが、......」
・「もしよろしければ、......」
・「もし差し支えなければ、......」
・「ご都合がよろしければ、......」
・「勝手な都合を申し上げて恐縮なのですが、......」
・「お手数(ご面倒)をおかけいたしますが、......」
【ワンフレーズ例】「お断り」をする前に言いたい、クッション言葉
・「あいにくですが、......」
・「お手数ではありますが、......」
・「せっかくでございますが、......」
・「誠に申し上げにくいのですが、......」
・「お気持ちはとてもよくわかるのですが、......」
・「せっかくのお申し出をいただき、たいへんありがたいのですが、......」
・「ご期待に添えず、たいへん申し訳ないのですが、......」
・「私どもの力不足で、たいへん恐縮なのですが、......」
・「勝手を申して、たいへん恐縮なのですが、......」
【ワンフレーズ例】「反論を述べる」ときのクッション言葉
・「確かに、おっしゃることはごもっともなのですが、......」
・「お言葉ではございますが、......」
これらはほんの一例です。普段の会話でもアンテナを張って、身の回りの「クッション言葉」の引き出しを増やしていくと、時と場合に応じた使い分けができるようになります!