管理職として成果を上げるために~管理職と社外取締役の座談会 後編
会社組織の中で成果や利益を出していくうえで必要なこととは何でしょうか。現在インソースで管理職として活躍中の3人が感じている課題について、社外取締役との意見交換を行いました。
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管理職として成果を上げるために~管理職と社外取締役の座談会 前編
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ひとつ上の視点で全体を見回してみる
藤岡
管理職の皆さんがすべての源泉、会社の力の源ですよね。いい課長がいれば実績を上げることができる。
部長クラスの仕事は、組織のあり方から変えていくことです。半分の人数で同じ量の利益を上げられないか、という視点で考えていく必要があります。
司会
私もよく言われます。部署を預かる人は、いかに人を増やさず利益を増やすかだ、と。
藤岡
皆さんが部門間の調整に入るくらいの心構えでいると、いい会社になると思います。ひとつ上の調整をする、それくらいの視点で全体を見回してみるといいのでは。
司会
仮に自分が部を持ったら何をすべきか、そういう意味で高い視座を持つということですね。
仕組み化するべきかどうかの判断基準
司会
仕組み化すべきかどうか、どういった基準で判断するのでしょうか。
藤岡
判断基準としては、利用者が多いかどうかだと考えます。
Kさん
私が仕組み化したいと思っている業務については、当面の利用者は私だけですね。引き継ぎのときが大変という感じです。
藤岡
それでは、時系列にファイルして、日程表だけ、年間スケジュールを書いておくなどがよいのではないでしょうか。
Kさん
そうですね。ファイル管理についてもルールを整備しておくのが望ましいでしょうね。
営業としての仕組み化
Tさん
営業のプロセスの中でも、特に事務作業はルーティン化・標準化できるところはあるので、一部は仕組み化しています。
司会
北海道支社ならではの仕組み作りは、後任に引き継ぐときのための記録といった、身近なところからスタートするのがよいでしょうか。
Tさん
そうですね。前任者から引き継いだものや、変えていくべきものについては、ドキュメント化して残していくつもりです。
今後は、組織マネジメント的な部分と、営業戦略といった企画職的な部分との組み合わせについて、北海道支社ならではの仕組み化をしていきたいです。まだそこに十分に向き合えていないので、まずはやってみて、方向性をつかむところからですね。
藤岡
よく活用するテクニックですが、課題が多いようでしたら、重要度と緊急度で4象限のマトリックスにして整理するのがおすすめです。結局こういうシンプルな手法が使いやすいです。
部下の話を聴くだけでも関係が構築できる
Kさん
藤岡さんも課長・部長の時代があったと思いますが、我々に近い役職のとき、30代前半ぐらいの頃も部下はいらっしゃったんですか?
藤岡
私が課長になったのは34、5歳ですね。そのときは本当に悩んで、大先輩に電話して相談しました。部下が優秀で突き上げがすごく。会社の問題点を次々に挙げて、「どう思いますか?」「会社を変えてください!」といった感じでした。全部解決してやろうと思いましたが、簡単に解決できるわけがありませんでした。
そのときの先輩のひと言が参考になるかもしれません。
「聴いてあげるだけで半分解決しているんだよ」って。聴いて共有して、頑張ろうという気持ちになれば、部下との関係という意味で半分解決している、と。
Kさん
確かに、本質的な問題を言われることもあれば、不満に近いような場合もけっこう多かったりします。全部が全部を真に受けすぎなくてもいいのかもしれませんね。
アイデアマン的な考え方を身につけるには
Tさん
藤岡さんの考え方は、開発職・開発戦略・企画力といった、アイデアマン的な部分に強みがあるのかなと思います。その考え方をどのように培われたのか、どういった訓練や経験をされてきたのか教えていただきたいです。
藤岡
これはひとことでは言えませんね。様々な方をずっと観察して学びました。人といろんな出会いがあって。技術でも、商品企画でも、自分は多くの部分で劣っていたと思います。ただ、続けることができたから、少しずつ実績を積み上げることができました。
最後に
藤岡
皆さん30歳前後で大役を担い、いろんな壁にぶつかっていらっしゃるけれど、必ず超えられると思います。皆さんのお話を聞いていると、悩む必要はないんじゃないか、もう答えがわかっているんじゃないかという感じがします。
変に制約があると思わずに、「自分で考えて、自分でシナリオを作り、サポートしてもらって、問題解決していく」ということを心がけてみてください。
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