■環境の変化に対応した業務管理~PDCAの徹底と判断基準の提示
仕事の管理は、
P(PLAN、計画)
D(DO、実行)
C(CHECK、点検)
A(ACTION、改善策の実施)サイクルの徹底につきます。
特に注意したいのが、3番目のチェックの重要性です。コスト削減や業務効率といった費用対効果など、その都度、実効性を点検(CHECK)する必要があります。点検(CHECK)を行う際に必要なのが、敏感に環境変化を嗅ぎ取り、判断基準を明示していく能力です。現在のような変革期において、「前例踏襲」だけで業務を遂行するのは不可能ですが、何でも変更したら良いというわけでもありません。
「守るべきもの」「変えるべきもの」のを明確にして、判断基準を確定する必要があります。
具体的には、
(1)既存のもので、残すべき基準
(2)現在求められる基準
という2つの基準を基に、判断基準(考え方の軸)を明確にし、現場の力のブレを無くすことが求められます。
■業務改善~すべての問題の2~3割を3ヶ月サイクルで改善
管理職の中には業務改善の推進が苦手な方が多いと感じます。「課題が多すぎる」「頻繁な異動」「年上の部下の存在」などがその理由として挙げられます。しかし、気楽に考え、小さな目標から積極的に取り組んでいけば良いのです。皆さんの職場でも、現場の問題点を洗い出せば、20や30は容易に出てくるのではないでしょうか。同時にすべてを解決するのは不可能であるが、問題のうち、2~3割を改善すれば、「劇的な改善」を実感することができ、外部からも評価されます。
具体的には、
(1)緊急度や重要度などを鑑みて、仕事の中で優先順位が高いものから課題を選ぶ
(2)各自が協力すれば簡単にでき、達成しやすいものから課題を選ぶ
という2つの基準から課題を選び、3ヶ月かけて改善していきます。
実は、この「3ヶ月間」という時間がポイントになります。「1ヶ月」だと、急すぎて日常業務の妨げになってしまいます。かといって、「半年」だと、長すぎて途中でぶれてしまったり、熱意がさめ頓挫する危険性が高くなります。部下全員で議論したり、検討する時間が取れ、かつ、緊張感が途切れない時間が「3ヶ月間」です。この3ヶ月間で終わるテーマを見つけて、改善していくのが効果的な課題発見の方法です。小さな課題を3ヶ月間かけて一つずつ改善すれば、1年で4つの問題解決ができ、振り返れば「大きな成果」と実感できます。
■改善は手順が大切~現状分析、根回し、キックオフ
業務改善にも、管理職の「計算力」が求められます。「業務改善せよ」というかけ声だけでは、部下はなかなか動きません。
まずは、管理職が「問題を数字で示すこと」が大切です。つまり、自ら汗をかいて分析を行い、問題の所在とその内容を具体的な数字で示し、「なぜ改善しなければいけないのか」という課題を明確にする必要があります。次に、改善の障害となりがちなベテランの部下への根回しを行い、協力を取り付けます。現場にそっぽを向かれては、業務改善は立ち行かなくなってしまいます。最後に、部門全体でキックオフミーティングを開き、業務改善をスタートさせましょう。その際、「どこまでいったら達成なのか」というゴールを明確にした上で、それぞれの仕事の分担やスケジュールを決めます。
スケジュールは1ヶ月単位で考え、その都度見直し(CHECK)を行っていけば、業務改善の推進や管理も容易となります。