管理職として成果を上げるために~管理職と社外取締役の座談会 前編
会社組織の中で成果や利益を出していくうえで必要なこととは何でしょうか。現在インソースで管理職として活躍中の3人が感じている課題について、社外取締役との意見交換を行いました。
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- 目次
自己紹介
司会
事前に、お三方から現在課題に感じている点についてご提出いただきました。本日は豊富な経験・スキルをお持ちの藤岡社外取締役と意見交換して、解決策を探っていければと思います。まず、現在の業務内容についてお伺いします。
Mさん
人事用のアプリケーション用に開発がスタートした、Leaf Managementの開発・保守・運用を担当しており、若手メインのチームをマネジメントしています。チームメンバーの中で『この人がいなくなったらダメ』とならないよう、誰でも分かるように仕事の仕方をまとめて、それを伝えることに注力しています。
Tさん
今年の4月から、北海道支社長として営業活動をしています。今のチームは私を含めて4名です。メンバー育成をしながら、自分の案件、他のお客様の支援、メンバーの支援を行っています。
Kさん
私はインソースに入社して9年目ですが、6年弱ほど営業をやっていました。今はグループ経営管理部で経理、経営会議などに対応しており、私にとっては新しい分野ですが、自分自身の特性・性格に非常にフィットしていて、やりがいを感じています。
司会
今日の議題は2つです。まず1つ目は、一緒に働くメンバーのプロジェクトや業務の割り振りを含めた、モチベーション管理です。具体的には、モチベーション維持、プロジェクトのタスク調整、権限委譲、育成などです。
もう1つは、管理職として、どのように仕組み化していけばよいのかについてです。再現性を担保して仕組み化し、会社として継続的に運営し続けるにはどうしたらいいかということです。
経営層の発言の背景を理解し、メンバーに伝える
司会
業務の方針を決定し、それを部下やメンバーに落としていく際、メンバーのモチベーションとのバランスも重要です。メンバーのモチベーションを高く保つための秘訣はあるのでしょうか。
藤岡
秘訣といえるような、いい道具はないですが。組織のトップが打ち出している活動方針やKPIは、数字で説明できる根拠がちゃんとあるんです。
まず自分がそういった背景を理解する。そして部下に対しても、なぜこの活動をするのかということを伝えるのがいいと思います。
小さい組織であれば、経営層の発言の背景をおよそ皆さん想像できていたが組織が大きくなるとそれが難しくなります。
文鎮型の組織から、ヒエラルキーがある組織に変わっていかないと、会社は大きくなれません。メンバーが数人のうちはアイコンタクトで伝わっていたかもしれませんが、人数が増えていくにつれて、説明のためのドキュメントが必要になりますよね。
司会
管理職は立場的にも、自分の意図を伝えることがより重要になってくるということですね。
Mさん
仕事の意図を伝えることは、私も特に気を付けています。特に若手に対して、なぜその仕事を振るのか、きちんと伝えることを常に心がけています。この仕事を通してここが絶対伸びるはずだから、と。
自分で抱えすぎず、メンバーに当事者意識を持ってもらう
Kさん
私の場合、自分でやったら早い、と思ってしまい、業務を抱え込むことが多いです...。
藤岡
能力のある人は皆そうなりがちだと感じます。
Kさん
部下のモチベーションを上げるというより、いかにその人に当事者意識を持ってもらえるかというのが大切なのかもしれません。こちらから一方通行で指示を出すだけでは、限界がある。
藤岡さんがおっしゃったように、背景や根底にあるものを伝えて、メンバーに当事者意識を持ってもらうことなのかなって今気付きました。
藤岡
いわゆるエンゲージメントですね。
司会
会社のフェーズによって、人数の規模も、目指すところも全く異なります。ヒエラルキー型の組織を目指していく中で、メンバーへの伝え方などを工夫する必要があるということでしょうか。
藤岡
会社の進化とともに変わっていかないといけない部分です。活動を行う背景を自分が理解して、それをちゃんと伝えるとか、自分が影響力を及ぼしてスタッフを動かす原動力になるということが求められています。
例えば会議を1人でまとめてしまうという場合も、後で個人的に話してコメントをほめてあげるなど。
Kさん
確かに、そういうフォローは不足していました。
管理職の中の、企画職としての役割
藤岡
皆さんがマネジメントで苦労されている中で、ポイントが大きく2つあると考えます。ひとつは、組織マネジメントの難しさ。もうひとつは企画職として開発戦略など、今後の計画を自分で考えるというところ。
管理職の仕事は、企画職としての側面もあります。自分がちゃんと企画する、そのリソースを捻出できれば、今抱えている問題が1年後、1年半後に解決するようなシナリオが組めるんじゃないかと思います。
例えば、数年単位の開発戦略の中で今後あるだろう開発を含めて考えると、任せたい業務が必ずあるはず。
Tさんにしても、営業戦略を詰めれば、どのスタッフにどういう経験を積ませたいか見えてくる。もしかしたら増員が必要かもしれません。
答えを持っているのは、現場にいる皆さんです。上にはわからない。だから自分でゴール設定すればいいのでは、と思います。
司会
まずメンバーの志向をつかむことは大前提ですが、やりたいことの幅を広げていくことを促すのも大事かもしれませんね。指導する側が広い知見を持って、部下の視野を広げることができれば、組織として強いと思います。
後編はこちらから
管理職として成果を上げるために~管理職と社外取締役の座談会 後編
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