人材育成や企業内研修に使える助成金制度(令和6年度/2024年度版)

人材育成に使える助成金などについて

■人材育成に関する助成金とは


人材育成に関しての支援助成金は、事前に人材育成の計画を立て、管轄の事務局にて書類を提出し、計画書通りに実施後、さらに支給申請書を提出することで受け取ることができるお金です。 支給条件を満たしている場合に限り、 例えば新入社員向けにIT研修を企画したり、ベテラン社員へのリスキリング、あるいは非正規社員を正社員化するための教育を実施するなど、この補助制度を活用いただける可能性があります。


人材育成への積極的な取り組みは従業員のキャリア形成や能力アップはもちろんのこと、従業員の職場定着促進、ひいては安定的な企業運営にもつながります。


■助成金の申請手続きについて


助成金の申請手続きは基本は申請事業者が自ら行います。慣れていない場合は貴組織の顧問社労士などにご相談ください。おおよそ次のような申請手順になります。

人材開発支援助成金(厚生労働省)

■概要

厚生労働省が管轄する制度で、以下の6つのコースで構成されております。 事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した教育や研修を行う場合に助成する制度です。

  • ①人材育成支援コース
    10時間以上の訓練や、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練、有期契約労働者等を対象に人材育成に取り組んだ場合に支給される助成コース
  • ②教育訓練休暇等付与コース
    有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に支給される助成コース
  • ③人への投資促進コース
    デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に支給される助成コース
  • ④事業展開等リスキリング支援コース
    事業展開やDX・GXに伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に支給される助成コース
  • ⑤建設労働者認定訓練コース
    認定訓練を行った中小建設事業主に対して支給される助成コース
  • ⑥建設労働者技能実習コース
    雇用する建設労働者に有給で技能実習を受講させた建設事業主に対して支給される助成コース

■支給対象

人材開発支援助成金

※1 正規雇用労働者等へ訓練を実施した場合の助成率
※2 非正規雇用の場合の助成率
※3 正社員化した場合の助成率
※4 国内の大学院を利用した場合に助成
※5 有給休暇の場合のみ助成
※6 訓練修了後に行う訓練受講者に係る賃金改定前後の賃金を比較して5%以上上昇している場合、又は、資格等手当の支払いを就業規則等に規定した上で、 訓練修了後に訓練受講者に対して当該手当を支払い、かつ、当該手当の支払い前後の賃金を比較して3%以上上昇している場合に、助成率等を加算
※7 令和8年度末までの時限措置


※出所:「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」(P.2)(厚生労働省)(最終アクセス:2024/07/05)



■その他:eラーニングと通信制による訓練にも

・実際の訓練時間ではなく、受講案内等に記載の「標準学習時間」や「標準学習期間」で判断されます。
・訓練機関が発行する「受講修了を証明する修了証等の書類」や「LMSデータ」等の書類で確認があります。
・eラーニング・通信制による訓練について、実施場所を変更する場合は、当初計画していた訓練実施日又は変更後の訓練実施日のいずれか早い方の前日までに変更届の提出が必要となりました。

インソースではOFF-JT研修だけでなく、多種多様な動画教育教材も開発しています。詳しくは下記特設ページをご覧ください。
・動画百貨店

■参考ページ


【申請書ダウンロード】(厚生労働省)
※雇用関係助成金ポータルでの電子申請も可能になっています


※出所:「人材開発支援助成金(人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース)」(厚生労働省)(最終アクセス:2024/07/05)

キャリアアップ助成金(厚生労働省)

■概要

厚生労働省が管轄する制度で、以下の6つのコースで構成されています。事業主が非正規雇用の労働者に対して、 キャリアアップを促進するための取り組みを行った場合に助成する制度です。

  • ①正社員化コース
    有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換等した場合に助成
  • ②障害者正社員化コース
    障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合に助成
  • ③賃金規定等改訂コース
    有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を増額改定し、適用した場合に助成
  • ④賃金規定等共通化コース
    有期雇用労働者等と正社員との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成
  • ⑤賞与・退職金制度導入コース
    有期雇用労働者等に賞与・退職金制度を新たに規定し、適用または積立てを実施した場合に助成
  • ⑥社会保険適用時処遇改善コース
    有期雇用労働者等の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成

【申請書類ダウンロード】(厚生労働省)
※雇用関係助成金ポータルでの電子申請も可能になっています



※出所:「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」(厚生労働省)(最終アクセス:2024/07/05)

両立支援等助成金(厚生労働省)

■概要

厚生労働省が管轄する制度で、以下の6つのコースで構成されています。 働き続けながら子育てや介護等を行う労働者の雇用の継続を図るための就業環境整備に取り組む事業主に対して助成金を支給する制度です。

  • ①出生時両立支援コース
    男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備・業務体制整備を行い、子の出生後8週以内に育休開始
  • ②育児休業等支援コース
    育児休業の円滑な取得・復帰支援の取り組みを行い、「育休復帰支援プラン」に基づき3か月以上の育休取得・復帰
  • ③育休中等業務代替支援コース
    育児休業や育児短時間勤務期間中の業務体制整備のため、業務を代替する周囲の労働者への手当支給や、代替要員の新規雇用(派遣受入含む)を実施
  • ④柔軟な働き方選択制度等支援コース
    育児期の柔軟な働き方に関する制度等を導入した上で、「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」により制度利用者を支援
  • ⑤介護離職防止支援コース
    「介護支援プラン」に基づき円滑な介護休業の取得・復帰や介護のための柔軟な就労形態の制度利用を支援
  • ⑥不妊治療両立支援コース
    不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組み、労働者が制度を利用

【申請書類ダウンロード】(厚生労働省)
※雇用関係助成金ポータルでの電子申請も可能になっています



※出所:「両立支援等助成金のご案内」(厚生労働省)(最終アクセス:2024/07/05)

スキルアップ助成金(公益財団法人東京しごと財団)

■概要

公益財団法人東京しごと財団が管轄する制度で、以下の3つのコースで構成されております。 事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した研修を行う場合に助成する制度です。

  • ①事業内スキルアップ助成金(中小企業等)
    従業員のスキルアップのための自社で企画した研修を実施する都内企業等に対し助成
  • ②事業外スキルアップ助成金(中小企業等/小規模企業者)
    従業員のスキルアップのための公開研修を利用して研修を実施する都内企業等に対し助成
  • ③DXリスキリング助成金(中小企業等)
    従業員のスキルアップのDXのための研修を実施する都内企業等に対し助成

スキルアップ支援事業


※出所:「令和6年度 スキルアップ助成金説明会」(P.7)(公益財団法人東京しごと財団)(最終アクセス:2024/07/05)


■支給対象


スキルアップ支援事業


※1:中小企業基本法第2条第1項の中小企業者に該当する者。会社法上の会社等(士業法人を含む)及び個人事業主で、上の表に記載の資本金の額又は出資の総額、 常時使用する従業員数のいずれか一方(又は双方)を満たす者
※2:中小企業基本法第2条第5項の小規模企業者に該当する者。会社法上の会社等(士業法人を含む)及び個人事業主で、上の表に記載の常時使用する従業員数を満たす者
※1、2:みなし大企業ではないこと

■募集要項

・都内に本社又は主たる事業所(支店・営業所等)があること
法人については都内に本店又は支店の登記があること、又は都税事務所に事業開始等申告書を 提出済の事業所があること。個人事業主については都内の税務署へ開業の届出をしていること
・都税の未納付がないこと
・過去5年間に重大な法令違反等がないこと
・暴力団に該当しないこと

■【申請書類ダウンロード】


※出所:
・事業内スキルアップ(公益財団法人東京しごと財団)(最終アクセス:2024/07/05)
・事業外スキルアップ(公益財団法人東京しごと財団)(最終アクセス:2024/07/05)

人材育成・企業内教育と合わせて活用しやすい助成金

よくいただくご質問

  • Q1.全ての研修が助成金の対象になりますか?
  • A1.各種助成金によって求められる研修・人材教育の要件が異なりますので、支給要件を申請機関にご照会ください。弊社では受給対象範囲となるかどうかの判断を下すことが出来かねます。

  • Q2.助成金のコースに応じて、自組織に合わせて内容をカスタマイズできますか?
  • A2.講師派遣型集合研修を企画・実施いただく場合は、企画なさったプログラムに準じて実施時間や内容を変更可能です。公開型(オープンセミナー型)場合は、内容の変更はできませんが、コースに合わせたカリキュラムの組み合わせなどのご相談に対応いたします。検討段階でも構いませんので、ご要望をお聞かせください。

  • Q3.助成金はもらえないこともあるのでしょうか?
  • A3.事前に申請受付機関に助成金の対象となるプログラムであるかどうかの確認をとったうえで、給付の要件を満たし、申請に不備がなければ受給できる可能性が高いです。ただし、長期の人材育成計画の中で退職や休職者が生じた、申請内容と異なる教育プログラムを受講した等の場合は助成金の全額を受給できないこともございます。

  • Q4.どのような資料の提出が必要ですか?
  • A4.研修の実施計画書や助成を受けるための申請書などが必要です。各種助成金によって提出書類が異なります。上記の各助成金解説内の【申請書類ダウンロード】【電子申請(雇用関係助成金ポータル)】等をご活用ください。

  • Q5.申請や資料の提出期限はありますか?
  • A5.各種書類に提出期限が定められています。詳細は受付機関が定めている申請要綱をご参照ください。提出資料として当社が発行する教育プログラムの受講証明書などが必要な場合もありますので、必要に応じてお問合せください。

  • Q6.助成金についての相談は受けてもらえるのでしょうか?
  • A6.助成金の内容等についての相談は、まずは顧問社労士や助成金受付の機関窓口にお尋ねください。研修プログラムやより良い人材育成体系の構築等については、様々なご提案が可能です。

  • Q7.個人でも、スキルアップのための教育費用が補助されると聞きました
  • A7.厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される教育訓練給付制度などがあります。詳しくは最寄りのハローワークまでお問い合わせください。
    弊社では通信教育百貨店にて、国から支援を受けられる資格講座の一部を代理販売しています。


メールマガジンのご登録

  • WEBins
  • 読み物・コラム

    • インソースレター

    • Gambatte

    • 人事のお役立ちニュース

  • モンシャン

閉じる