シルバー就業日記「私は銀子」vol.7|シルバー就業日記 銀子とマチ子

シルバー就業日記「私は銀子」vol.7

生涯現役で働き続けたい!」そう願うシニア層が入社した会社は、なんとIT企業でした。。。

当社のシニア世代の社員とそのOJT担当者、それぞれの日記を連載でご紹介します。

目次

  1. 1.高齢就業者は幸福を感じている
  2. 2.いかに終業を迎えるか
  3. 3.世界が終わるわけではない
  4. 4.銀子への教訓

1.高齢就業者は幸福を感じている

「社会の中で自分のする仕事がある」ことは自己実現のひとつの形であり、生きている理由になる場合があります。仕事には他とは代えがたい幸福感があるのかもしれません。

私の知人は若年性認知症と診断された後、悪性腫瘍が見つかりました。その後も仕事を続けて現在大幅に余命宣告を更新しています。こうしたことはもちろん経営者の理解や周囲のサポートなしには叶わないことですが、仕事を続けていることが彼の尊厳を支えていることに間違いはありません。彼と彼の会社の素晴らしい試みに感銘を受けます。

しかし、職場は、病院でも福祉施設でもありません。結局は企業に人件コストを計上して、採算がとれるかの判断がされるでしょう。

2.いかに終業を迎えるか

日々の仕事に追われながら、常に胸のどこかに、「誰にでも訪れる終業の日」があります。身体的な理由や病気など本人も納得して退職する場合、残念ですが諦めがつく終わり方です。

しかし、自分が職場で役に立たなくなった時の判断は難しいことです。体の力の衰えは自分で分かりますが、脳の力の衰えは自覚しにくいものです。自分が決めるか、身近な上司が退職を促すかになります。そんなときが来ても素直に冷静に周囲の話が聞けるように、普段からの信頼関係を大事にしましょう。

3.世界が終わるわけではない

会社人間として、仕事を辞めたら抜け殻になってしまう、そんな情けない生き方はやめましょう。退職になっても腐ってはいけません。仕事は人間の尊厳を支えますが、人間の価値は仕事だけではありません。死ぬまで元気に、次の生き方を手に入れましょう。

近い将来、少子高齢化から人手不足が進行して、さらに高齢就業者が増えるでしょう。高齢者を受け入れる企業がもっと増えて、企業の対応や体制が整えば、高齢就業者の就業基準も、また就業寿命も変化します。

例えば、高齢就業者の雇用研修、就業マニュアル、管理ソフトの開発、専用の就業システムなどの進展もみられるでしょう。企業内の高齢就業者部門が拡大し、医療機関との提携で高齢であることのデメリットを最小化する方法が見つかるかもしれません。そうした次世代高齢就業者ための提案のヒントを記録することも、私たち現役高齢就業者ができることのひとつかもしれません。

4.銀子へ教訓

〇自覚しにくい衰えを素直に受け入れる準備をする

〇最後の就業が終わっても、次の生き方がある

〇次世代の高齢就業者のために提案のヒントになる記録をする


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