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「来期の研修計画をどうしようか?」と迷いながらも、期限までに時間がない場合には、研修体系構築の原点(そもそも論)に立ち返って、階層ごとの役割と求められる能力・スキルを洗い出すことから始めます。
この役割と能力・スキルは、人事評価制度で定義されているはずですから、研修担当者も人事評価制度を見返す必要があります。人事評価の最大の目的は人材育成です。人材育成と人事評価を分けて考えるのは誤りです。人事評価
シートのコンピテンシー評価項目は、評価のための項目ではなく、強化すべき項目・習得すべき項目と理解しましょう。
研修の選択にあたっては、前期に研修を実施したならば、それに被らないように別の研修を選択したり、新任管理職研修のように、今期の受講者が前期と被らない場合は、前期と同じ研修を実施したりするなどの工夫が必要です。さらに、階層ごとの特徴(強み・弱み)を把握できていれば、弱みを克服するための研修を選択することで、より有意義な研修を組むことも可能になります。
次に、必要な研修を選択した後は、「実施回数」「実施時期」を決めます。上期の前半(10月が期初の場合は12月末)までに研修を実施するならば、期初に実施日程を確定させたほうが良いです。それ以降の予定であれば、期初に実施月までを決めて、詳細は後日改めて決めても間に合います。
最後に研修計画を立てるときには、行き当たりばったりの計画にならないように気をつけます。担当部署だけで、「今年はこれがいいんじゃないか」という程度の検討で研修計画を組んでも、受講者の満足や研修効果が十分上がらないことがあります。 「背景」「目的」「ゴール」を理解したうえで、研修を実施することで、人材育成に直結する「投資対効果」の高い研修の実現が可能になります。
以上のように、急いで研修計画を立てるにあたっても、相応の「軸」に基づいて立案することで、実のあるものとなります。