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採用担当者がおさえるべき「企業を見る」4つの視点とは?

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採用担当者がおさえるべき「企業を見る」4つの視点とは?

求職者が企業に対して「いい会社だなあ」とみる基準は、どこにあるのでしょうか?
企業の利益の仕組み、給与や昇進の仕組みが気になる人もいるでしょうし、社風が気になる人もいるでしょう。
企業力はどの程度あるか、企業風土はどのようなものか、企業の志は何か、などなど。

採用担当者がおさえるべき4つの視点をご紹介します。

ポイント1.全社員数に対する新入社員の割合の数字

4月になると、たくさんの新入社員が出席する入社式がテレビで報道されます。あれだけの社員が入った後はどうなっているのでしょうか? 一般的には、全社員数に対する採用人数の割合が同業種の企業に比べて高い場合、入社時の倍率面では入りやすいが、逆に離職率も高いというマイナス面が考えられます。 一方、採用人数の割合が同業種の企業に比べて低い場合、少数精鋭主義であると考えられ、入社後の指導が懇切丁寧であるというプラス面でとらえられるかもしれません。もっとも、入社時の倍率が高く、競争の激しい狭き門であると考えられます。

ポイント2.社員一人当たりの売上金額・利益の数字

社員一人当たりの売上金額や利益は、次に掲げる数式で、ある程度は把握できます。
この数字だけでも社員の働き具合がかなり正確に分かります。どちらの数字も企業の広報から公開されていますから、容易に入手が可能です。

・総売上金額÷総社員数=社員一人当たりの売上金額
・利益金額÷総社員数=社員一人当たりの利益金額

社員一人当たりの売上金額・利益が高いということは、優秀な社員が揃っていると考えることができます。利益は「入」と「出」から生まれるわけですが、社員一人当たりの売上金額が高いというのは、その企業に関わっている人や組織がよく機能しているということです。社員一人当たりの利益が上がっているというのは、社員の生産性が高いということを意味していると考えられます。

もちろん業種業態が異なると、いわゆるモノの「単価」が異なりますので、単純に数字の比較はできません。それでも、この数字は十分な検討材料を提供してくれます。

ポイント3.キャリアパス

求職者、特に学生は就活の際に企業のどんなところを見ているでしょうか? 給与面、職種、勤務形態だけでなく、企業の給与の仕組みや人事制度や福利厚生などに関心を持って見ているでしょう。このことは社員にとっても、当然関心があることには違いがありません。

処遇・昇進の違いは、職位の数などの内容によって企業ごとに様々です。例えば、職位が細かく存在する企業と、比較的職位の少ない企業があります。その場合、次のような点を調べてみて下さい。

「課長という肩書きに若くしてなれる可能性がある組織か? かなり年数を経ないとなれないのか?」
「どのくらいの年齢でどんな権限を持たせてもらえるか? 最短で役付者になる年齢は何歳か?」

この年数や年齢から、社員がたどるキャリアパスが理解できます。

また、将来、独立・起業を考えている求職者は、企業の現状をチェックしています。

「将来に独立・起業を考えている人が現在はどれくらいいるか?」
「実際に独立・起業していった人がどれくらいいるか?」

この結果から、企業が働きやすい組織か?(組織構造、人事制度、裁量の程度など)や企業風土が社員に合っているか?(社員の優秀さ・価値観、雰囲気など)など、企業の様子が見えてきます。

ポイント4.組織の姿勢

企業の様子だけでなく外形からも、企業の実態を推察することができます。
まず、企業の社屋を確認しましょう。社屋が新しいかどうかではなく、清掃が行き届いているかどうかをチェックしてみましょう。

「お手洗いの洗面台に水しぶきが飛んだままになっていないか」
「傘立てがきれいになっているか」

清掃という小さなことも、実はその組織の現状を正確に物語っていることがあります。

「足の便など立地条件はどうか? どんな社屋か?」

足の便が余り良くない立地条件なのに、豪勢な自社ビルを構えているとすれば、来社・通勤に余計な時間・経費・労力がかかる上に、収益に見合わないビルの維持費も掛かっています。一見豪華に見えるビルも、実は経営陣のコスト意識の甘さを示していると考えられます。

「企業を見る」視点とは、社会人としての判断軸

学生や求職者は、企業選びにおいて、自分で考え、感じること、気が付くこと、そしてそれを継続することが大切です。「企業を見る」視点は、学生や求職者にとって、やがて「社会人として判断軸」をつかむことに繋がります。つまり、「企業を見る」視点は、求職者の就活における企業選びの視点であるだけでなく、就職後もずっとひとりの企業人として必要な判断軸なのです。

「企業を見る」視点は、企業の社員の定着率、優劣、組織の現状、経営陣のコスト意識など、企業への総合的な判断力を与えてくれます。採用担当者として社会人としての視点をしっかり据えていただく上でも4つのポイントを訴求してはいかがでしょうか。

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