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周囲は再任用職員に一定の期待とともに不安を持っています。
期待としては先輩として知識と経験を伝承してもらうこと、不安としてはモチベーションが上がるのか、といったことが現場では多く指摘されています。こうした声に再任用職員本人がまず耳を傾ける必要があります。
再任用職員としてスムーズに仕事をスタートさせるためには、まず自身が置かれている環境の変化について理解し、現実を受け入れていただく必要があります。
たとえば、同じ部署で再任用された場合、元部下の指揮下で働く可能性が高くなります。自身の立ち位置を理解していないと、周囲を困らせるだけではなく、最終的には自分が浮いてしまうリスクさえあります。
また、異なる部門・部署ではこれまでの知識や経験が活かされない可能性があります。こうした場合、自分に何が伝えられるかを冷静に分析することが大切です。
再任用期間を単に「雇用と年金の接続」として捉えているだけでは、こうした周囲の期待や不安よりも、自身の都合や制度への不満のほうが大きくなりかねません。
これまでとは異なる立ち位置に戸惑うことなく、非連続によって生じる壁を乗り越えるためにも、多かれ少なかれ、自己変革の必要性があることを理解してもらわなければなりません。「周囲に受け入れられなければ、何も前に進めることができない」ということに後から気づいても、リカバーすることは難しいからです。
再任用職員は、これまで求められていたリーダーとしての役割よりも、メンターとしての役割を理解する必要があります。自身が組織の長ではない場合でも、共通スキルとしての知識と経験の伝承、シニアにふさわしい視座といったものをメンターとして後進に受け継ぐことは重要です。
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