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人事部
人事部とは、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のうち、「ヒト」を管理する部署です。これまでは人材の調達・育成・管理を行うのが主な役割でしたが、近年では人事部に求められる企業経営上の役割が大きくなっています。人材部・人財部などの名称に変更する企業もあります。
■人事部の主な担当業務
企業の成長に必要な人材が、快く働ける就業制度や環境を運営維持することが人事部の職務です。具体的には以下の業務を担当します。
①人事政策
人事戦略・人事制度・要員計画の策定など
②人材調達
採用、人事評価、人事異動、教育・研修の実施など
③教育・育成
階層別研修・能力開発・スキルアップ講習の実施など
④労務管理
勤怠管理・給与計算・福利厚生・ストレスチェック・法定調書の作成・36協定の締結など
このように人事部の担当業務は幅広いですが、④の労務管理については総務部や労務部が担当する組織も多いようです。
■人事部に求められる役割の変化
環境変化が少なく、安定した経済成長を遂げていた時代の人事部は、経営トップが策定した人事政策に基づき、人材の調達・育成・管理を行うのが主な役割でした。しかし現在ではそうした日常的な人事労務業務だけではなく、企業の経営戦略に即した人事政策の立案・策定まで携わるようになってきています。
その背景には、企業を取りまく経営環境の変化があります。労働人口の減少に伴い、企業の成長に必要な人材の獲得・定着を図るためには、魅力的なキャリアパスや多様な働き方を促進する新たな制度など、戦略的な人事施策を用意しなくてはなりません。組織のダイバーシティ化や働き方改革といった新しい経営戦略を成功させ、「ヒト」の経営資源を最大限に活用できるようにするためには、人事部と経営トップの綿密な連携がこれまで以上に求められています。
このように、新たな時代の人事部は企業を牽引する部署になったといっても過言ではありません。トップを人事戦略の面からサポートできるよう、人事部門の管理職はもちろん、人事業務に関わる全ての人が、企業の理念・経営戦略・事業計画を十分に理解したうえで、必要分野に関する最新知識や情報の収集にあたることが重要です。