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サステナビリティ経営
「サステナビリティ経営」とは、環境・社会・経済の持続可能性(=サステナビリティ)に配慮した経営のことです。「サステナビリティ」(sustainability)とは、元々は自然環境や人間社会などが長期的に機能し、良好な状態を維持できるための考え方を指します。
2015年以降、SDGsの設定やパリ協定の採択、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によるESG(環境・社会・ガバナンス)指数の選定など、環境・社会問題をめぐる国際的な枠組みや規制の強化が進みました。それによって投資家や消費者といったステークホルダーの価値観も変化したことから、従来、多くの企業にとってはCSR(企業の社会的責任)活動の一環であった環境・社会問題への対応は、「持続可能な」企業の発展を実現するための重要戦略と位置づけられるようになりました。自社の利益追求のみを重視する経営戦略はもはや「時代遅れ」であり、他社に先駆けて、いかにサステナビリティに係わる取り組みを経営や事業の中心に据えられるかが、企業成長の要になりつつあります。
企業がサステナビリティ経営に取り組むことには、様々なメリットがあります。例えば、環境・社会問題の解決に積極的に取り組む企業としてイメージが向上すると、企業のブランド価値が高まります。それによってステークホルダーの評価が上がれば、新たな市場を開拓できる可能性の広がりや、自社の社会貢献的事業に対して自信と誇りが生まれ従業員エンゲージメントが向上するなど、企業の成長につながる効果が見込めます。
サステナビリティ経営を実践するためのプロセスとして、まずは具体的な目標と期限を設定することが重要です。世界的な取り決めとして、SDGsの達成は2030年まで、カーボンニュートラルの実現は2050年までなっています。その期限までに組織としてどうコミットするか、自社のありたい姿を実現できる対応策を検討するとよいでしょう。そのうえで目標を設定し、実践に向けたアクションプラン・指標を策定することで、より具体的な実施が可能となります。
また、経営層はもちろん、全社でサステナビリティ意識を共有し、浸透させることが肝要です。研修や勉強会などを通じて、全社員にサステナビリティに関する啓発をしていきましょう。