銀子
経営関連の記事や書籍には必ずといっていいほど「生産性向上」の文字があります。でも、ただの「頑張ります!」ではなく「具体的に何をすれば、生産性の向上になるのだろう」と思っている人は多いと思います。そういう人たちのための研修ですか?
S氏
アハハ。ま、そういうことですね。研修の目的は「限られた時間を有効に活用して成果を上げる」ことです。そのために「今ある課題を整理して改善すべき点を絞り、具体的な解決法を見つけるまで」を学びます。
銀子
いま、生産性向上研修は人気が高いと聞きました。受講者は製造業種の方が多いのですか?
S氏
いや、あらゆる業種の方が受講されています。「生産性向上」はどんな仕事にも欠かせない概念ですが、特に近年の「働き方改革」や「ワークライフバランス」とは切り離せない問題として注目されています。
銀子
タイムリーですね。一言でいうと、生産性の向上とは何をするんですか?
S氏
そんなに複雑なことではありません。要は、仕事の見直しと改善です。
まず「過剰品質・長い待ち時間・コミュニケーションの不備・細かすぎる分業・動線の悪い工程」など作業のムダやムリ・ムラを徹底的に洗い出します。これを一つ一つ改善することで各業務が簡略化し、効率が上がります。仕事のスリム化ですね。
さらに、その結果を文字や図表などにし、誰が見てもわかる形にします。注意喚起やルールなども文字に起こし、共有して徹底します。これを繰り返していくのです。
銀子
はぁ。頭ではわかりましたが、まだ具体的な場面が浮かびません...。
S氏
そうですね。それこそ、製造業で考えるとイメージしやすいと思います。例えば、ある工場では工具が整理されておらず、必要な物を探すのに時間がかかっていました。そこで工具を口径別に仕分けし、現在数や仕分けルールを明記しました。これにより、必要な工具が取り出しやすく整理しやすくなり、作業効率が良くなりました。効率アップによって生産量が増し、結果売り上げが伸びました。簡単に言うとこんな感じです。
銀子
なるほど。一見当たり前のことのようですが、色々な効果があるんですね。
S氏
作業効率が上がれば、時間的な余裕ができ、仕事の精度は上がります。これによって一人一人がスキルアップし、モチベーションも上がります。これは事務職にも技術職にも、活用できる考え方です。
銀子
ところで、業種や業務によって職場事情は変わると思いますが、そういった違いを同じ研修でカバーできるんですか?
S氏
はい。基本的にどの業種・業務の方でもご受講いただけます。生産性向上研修は、日本の誇る「トヨタ生産方式」から大きなヒントを得て、汎用的にビジネスの現場で役立つ研修として開発したものです。ただ階層によって視点が異なるため、構成メンバー向け研修と管理職向け研修の2種に分けています。管理職向けだと、誤解を生まない明確な指示書の具体的な書き方、部下への直接指示の方法などもしっかり学べます。
銀子
この研修によって、受講者には何が起きるんでしょうか?
S氏
多くの場合、研修を受けることで自社の「現状・課題・解決策」に自ら気づき、明確な目標をもって社内改革に踏み出そうとします。研修が各職場の問題点の発見を促し、自律的な改善のきっかけになるのです。
銀子
実際に受講した方々の反応はいかがですか?
S氏
アンケートでは、受講者満足度90%以上(2018年6月時点)を保持しています!
最初は会社の指示で受講した人も、次第に「このままではいけない」と気づき、「変えたい」意欲が湧くようです。実際、事後アンケートでは「効率化できていない部分に気づくことができた。標準化として、マニュアル整備に取り組みたい。」「自身の仕事を見直すと同時に、他者への働きかけにしっかりと取り組むことが自分を楽にすることに気付けた」といった反響が多く寄せられます。
銀子
最後に、ご自身にとっての生産性向上研修についてお聞かせください。
S氏
私は本研修を「受講者が改善に取り組むための出発点」と考えています。
トヨタ生産方式の生みの親、大野耐一氏は「改善は永遠にして無限である」という言葉を残しています。生産性向上は、あらゆる仕事に共通する「永遠の改善」といえるでしょう。本研修が皆様にとって、その永遠の改善のきっかけとなれば幸いです。
生産性の向上、すごいです。かんばん方式やジャスト・イン・タイムなど、知識としては知っているつもりでしたが、今更ながら理解が深まり、私もスリム化しなくてはと思いました。まずは机の片づけやデスクトップの整理、それから体重も。昨今の「働き方改革」ブームを改善のチャンスと捉えて、生産性向上に取り組んでいきます。