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アダプティブラーニング

アダプティブラーニング(適応学習)とは、学習者の理解度や進捗に合わせて個別に最適化した内容で行う学習方法のことです。IT技術を活用した教育サービス
EdTech」のひとつであり、文部科学省がこれからの教育に不可欠な仕組みとして導入を進めている学習スタイルですが、社会人教育の場においてもその活用が期待されています。

アダプティブラーニングは、主にeラーニングの受講状況などを管理するLMS(学習管理システム)を通して行われます。業種や業務によって思うように学習時間が取れない従業員も、自分の進捗に合わせた学習が可能となるため、短時間での知識習得や弱点の改善が見込めます。また、個別の学習状況が把握できると、適切なフィードバックを最適なタイミングで行えるため、従業員のモチベーションアップや早期戦力化につながりやすくなります。

これまで、現場の先輩や上司によって教える内容にバラツキのあった従業員教育が、アダプティブラーニングの活用によって、個人の理解度に合わせて均質的に行うことができます。これは、全体的な組織力の底上げを図りたい教育担当者にとって大きなメリットと言えます。
また、特定の場所・時間・講師などを定めないため、コスト削減につながるのもメリットのひとつです。海外勤務や在宅でリモート勤務をする従業員、休職中の社員などにも同じカリキュラムでの教育が可能になります。

一方デメリットとしては、強制力がないため学習が後回しになったり、モチベーション維持が難しくなることが考えられます。締切を設定し全社に周知徹底する、ゲーム感覚で自発的に楽しく学べるプログラムを用意するなどの工夫が必要となります。
またアダプティブラーニングは、オンラインでのテストの正答率などデータ化された情報に基づいてカリキュラムの最適化を図ります。ビジネスマナーなど実際に手足を動かすスキルや、リーダーシップやコミュニケーションなど講師や受講者同士の対話を通じて定着を促すようなスキルについては、オンライン研修や集合型の研修の方が向いていると言えます。

このように、アダプティブラーニングはメリットの多い学習法ですが、目的や学習法の適合・不適合を確認したうえで導入を検討しましょう。講師がスキルの定着を確認できるオンライン研修や、同じチームや階層が集まることで一体感を醸成できる集合研修も並行して実施するなど、総合的な視野から教育プログラムを構築することが大切です。

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