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サーキュラー・エコノミー

「サーキュラー・エコノミー」とは、限りある資源を効率的に利用して付加価値を生み出す経済活動のことで、「循環型経済」と訳されます。資源を大量消費・廃棄して終わる一方通行の経済システムから、限りある資源を循環させる経済システムへの転換を通じて、持続可能な環境づくりと企業の競争力向上の両立を目指す新たな取り組みとして、近年注目されています。

経済産業省が打ち出した「循環経済ビジョン2020」によると、製品の設計・生産・利用・廃棄のあらゆる段階において、企業が資源の循環性を高める取り組みを行うことが求められています。

・設計:リデュース(軽量化等)や長期使用が可能な設計、再生材の利用など
・生産:生産工程の最適化、IoTでの需要予測による生産ロスや販売ロスの削減
・利用:リース方式によるメンテナンスまで含めた製品の有効活用など
・廃棄:製品自主回収等を通じたリサイクルの推進など

特に製造・販売を行う「動脈産業」が、設計の段階から3R(リデュース・リユース・リサイクル)を念頭に置いた製品をデザインするとともに、廃棄物の処理・処分・リサイクルを行う「静脈産業」と連携して、より循環性の高いビジネスモデルを構築することが重要です。また、自社製品のリユース・シェアリング・サブスクリプションビジネスなど、大量生産を前提としない事業形態へ転換する動きも広まっています。

サーキュラー・エコノミーの実現に向け、なくてはならないのがデジタル技術です。AIやIoTの活用によって、より正確な需要予測や、製品の「所有」ではなく一定期間の「利用」を求めるユーザーとのマッチングなども可能となります。デジタル人材の育成は、新たな時代でビジネスチャンスを広げるために欠かせない経営戦略です。

地球温暖化やプラスチックごみによる海洋汚染など、地球規模の環境問題は深刻さを増しています。短期的な収益にはつながりにくいかもしれませんが、組織の「パーパス」として社会問題の解決にあたる姿勢を鮮明に打ち出すことは、ブランドイメージの向上やESG投資の呼び込みなど、企業経営にとってポジティブな影響を与えます。SDGsの達成に向け、環境配慮を求める声が一段と強まるなか、循環型経済に対応したビジネスモデルへの転換は、中長期的な視野に立って取り組まなければならない課題といえます。

※参考
・経済産業省ホームページ「循環経済ビジョン2020(概要)」
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522004/20200522004-1.pdf
(最終アクセス:2022年2月18日)

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