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自治体フロントヤード改革
自治体フロントヤード改革とは、住民と行政の接点(多くは窓口業務のこと)における改革のことをさします。市区役所窓口での本人確認をマイナンバーカードを用いることでオンライン化したり、必要な公的書類を窓口以外でも受け取れるようにすることなどがその一例です。多様な住民ニーズに対応するために、住民との接点も多様化あるいは充実化を図る必要があります。
住民の利便性向上ということだけでなく、多くの自治体では人口減少による財源と人材の確保がこれからますます難しくなることから、フロントヤード改革は業務効率化の側面ももっています。デジタルツール・デジタルデータなどを有効活用し、対応時間を短く・処理を集約していくことが不可欠です。このことによって生まれた庁舎スペースや職員そのものなどのリソースを、子育て相談専用の窓口へと転換させたり、政策形成調査や高齢者の見守り活動などに采配するなどで、さらなる住民サービスの向上に寄与できます。
しかしながら2023年4月1日時点でのデジタル庁調べでは、「各種申請予約システム」「よく使う32手続のオンライン化」「ワンストップ窓口」などの総合的な改革を実施している自治体は全国で約9.2%と非常に少なく、自治体サイドでは改革ができているものの住民側にその利便性がうまく伝わっていないために活用度が低い地域もあるようです。利用の改革の先駆けとなっている団体の取り組みを他の組織でも展開されることが望まれます。
次の取り組みをみると、デジタル化以外にも職員の配置や業務フローを変えることによる改革も有用であることが分かります。
窓口での対応時間が長くなってしまうことは、利用者にとっても対応する職員にとっても負担が大きいものです。似たような問い合わせの数を減らす、いつでも手数料の納付や申請ができる環境を整備するなどは、両者にとって多くのメリットをもたらします。 いわゆる業務改善のひとつとして、所属の垣根を越えた業務フローの再構築やDX推進人材の育成、データ利活用などに取り組むことが求められています。