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PDCAサイクル
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字からの名称で、業務管理や目標達成に向けたプロセス管理のことを指します。繰り返し循環させて改善を進めるため、PDCAサイクルとも呼ばれます。
1950年代、米国の統計学者デミングによって提唱されたPDCAは、高度経済成長期における大量生産のための品質管理(TQC)の手法として、製造業を中心に広く採用されました。現在では業界や職種を問わず、「成果を出すための仕事の進め方」として、PDCAサイクルの回し方を新人・若手に習得させる企業も多くなっています。
PDCAでは、まずは「目的・目標」を設定します。PDCAを有効に機能させるためには、前提として目標が明確であることが重要です。目標があいまいだと、プロセスから評価までがあいまいになり、改善の基準がなくなってしまいます。
そのうえで、以下のプロセスに従ってPDCAサイクルを回します。
① Plan(計画):
仕事の目標を達するための理想的な手段と手順を考える
② Do(実行):
計画に沿って業務を実行する
③ Check(評価):
途中経過の確認(PとDの差異を調べ、その発生原因を検証する)
④ Action(改善):
Cについての改善策を講じて、次のPlan(計画)につなげる
以上のプロセスを繰り返し継続することで、仕事の改善や改革が可能になります。
PDCAサイクルとよく比較されるのが「OODAループ」です。近頃では、「PDCAサイクルは、VUCAと呼ばれる変化の早い時代に適さない。今はOODAループだ」という意見もありますが、元々二つの手法の用途が異なるため、どちらか一方で足りるということではありません。
PDCAサイクルは、自組織を取り巻く環境は変わらないことを前提とし、達成すべき目標に向けて仕事を計画通りに進めるための「プロセス管理ツール」です。一方OODAループは、外的要因によって常に環境変化が起こることを前提に、迅速な意思決定と行動を可能にするフレームワークであるといえます。状況に応じてPDCAサイクルとOODAループを適切に使い分けることで、確実な改善につながります。
混沌の時代において着実に成果を上げるためには、PDCAサイクルとOODAループ、どちらの手法も使いこなせるようになることが肝要です。