人事のお役立ちニュースにて、「【妊娠・出産を機に仕事をやめたのは"子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから"」という記事を取り上げました。
妊娠・出産を機に仕事をやめた理由のトップは「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから」となったことが、明治安田生活福祉研究所の実施した「出産・子育てに関する調査」で明らかとなった(※4)。
子どもがいる25~44歳の既婚女性に、第1子の妊娠・出産を機に仕事をやめた理由を聞くと、「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから」が52.3%と最も高くなった。
(中略)
【第1子の妊娠・出産を機に仕事をやめた理由 トップ5】
1位 子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから 52.3%
2位 子育てに専念したかったから 46.1%
3位 自分の体や胎児を大事にしたいと考えたから 41.8%
4位 職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから 27.9%
5位 子どもの体調の悪いときなどに休むことが多かったから 11.7%
女性活躍推進に向けた取り組みが進み、出産後も働き続ける女性は年々増えているものの、依然として「働きづらさ」を感じている女性が多いことがうかがえます。
子育てをしながら仕事を続けたいという意志があったにもかかわらず離職に至ってしまった背景には、第4位に「職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから」という理由もあがっているように、周囲のサポートがまだまだ行き届いていないという実態があるのではないでしょうか。
子育てをしながら仕事を続けられる組織作りには、ハード(制度)とソフト(意識)両面の改革を
昨年、育児・介護休業法が改正されたことにより、保育所に入れない等の場合に育児休業期間の延長が認められるようになりました。
また、「3歳の誕生日まで」とされている短時間勤務の期間について、法律よりも長く認める企業も増えているなど、子育てをしながら仕事を続けるための制度は昔に比べて整ってきたのでは?という意見もあると思います。
しかし、制度を整えることと、その制度を利用しやすい組織を作ることは、また別の問題です。子育て中の社員を抱える上司や同僚らの意識が変わらなければ、どんなに立派な制度があったとしても「絵に描いた餅」になってしまいます。
労働人口が減少する中で、働き盛りの子育て世代社員を失うことは人事戦略上の損失になりかねませんので、ハード(制度)とソフト(意識)両面からの改革を早期に実現する必要があります。
▼イクボス研修 育休明けからの職場復帰を支援する編(半日間)
▼育児中社員向け研修~仕事と育児を両立するためのキャリアを考える(半日間)
▼ハラスメント防止研修 マタハラ・パタハラ・ケアハラ編 (1.5時間)
▼働き方改革実現研修 テレワークの導入・実現を目指す編(半日間)
専業主婦だった女性を活用するメリットは大いにあり! 復帰しやすい環境作りが肝要
出産・育児を機に仕事を離れてしまっても、子供が大きくなって手がかからなくなったら再就職したいと考える女性は少なくありません。
「人事のお役立ちニュース」でも、「専業主婦」を理想とする割合は、末子が保育園児・幼稚園児の時から低下し、末子が中学生以降の場合には、子どもがいる既婚者で11.0%であることが書かれています(※5)。
しかし、現実には思い通りにいかないという女性も多いことが、以下の調査結果からうかがえます。
理想どおりになれば、ライフステージが進むにつれて「正社員でフルタイム勤務」が増え、末子が中学生以降には「専業主婦」が約1割までに低くなるはずだが、現実には「専業主婦」の割合は、末子が保育園児・幼稚園児37.8%・末子が小学生39.4%・末子が中学生以降36.0%と、いずれの場合でも約4割となった。
末子が中学生以降の「正社員でフルタイム勤務」は、理想では4~5割を占めているが、現実には18.4%にとどまった。
ブランクが長くなるほど、仕事をする感覚が鈍ってしまったり、PCなどのスキル不足になっている可能性は否めません。
しかし、専業主婦時代に「ワンオペ家事・育児」を経験して培った時間の上手な使い方や、子供のやる気を引き出してきた母親としての手腕は、職場のタイムマネジメントや人材育成のスキルとして通用する部分も大いにあるはずです。
家事・育児をこなしてきた女性の雇用促進は、労働力不足の解消につながるだけでなく、消費者として世間を見てきた女性の意見をきくことで新たなビジネスの視点が生まれたり、組織の多様化につながるというメリットが期待できます。
人事の皆さまにおかれましては、働く意欲のある女性が復職しやすい環境を整えたり、足りないスキルを与えて育成する制度を整える必要があるのではないでしょうか。
<復職しやすい環境を整える>
▼ダイバーシティ推進・復職者(リカレンティー)受け入れ研修(1日間)
▼リカレンティー(復職者・復職希望者)向け8大スキルアセスメント
▼リカレント・ダイバーシティ診断サービス
<1名さまから参加可能な研修で、足りないスキルを補う>
▼【公開講座】(半日研修)Microsoft Office研修~Excel基礎編
▼【公開講座】ビジネスマナー研修
▼【公開講座】ビジネスEメールの書き方研修