FORUM 2019
RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットによる業務の自動化のことで、以下のようなことが期待されています。
RPAは従来のシステム開発と同様に、システムを使った業務改善であり、導入によって大きな改善効果が見込めます。ただ、以下のような大きな違いや特徴があります。
RPAは、これからExcelのように皆さんのパソコンに当たり前のようにインストールされている時代がくると考えられています。
ポイントは、簡易化と低価格化の2つが進んでいくことです。これにより、RPAの社会への浸透も非常に早いスピードで進んでいきます。
近年、プログラミング未経験の方でも、業務の自動化が進められるRPAツールが増えています。例えば、1つ1つの動作をブロックに見立て、それを組み合わせることで自動化を行うことができるツールもあります。
RPAのツールは数多くあります。低価格帯のものでは、無料で使えるものもあります。国内でシェアの高い人気のRPAツールでも、年間100万円弱で導入できるものがあります。人1人を雇用するより安いうえに、幅広い業務が自動化できるため、仕事をする上で当たり前のツールとしてこれから広がっていくと言われています。
今皆さんが自由に使っているExcelは、昔はITに詳しい人が使えるツールの位置付けでした。今となっては、Excelが使えることが、あらゆる人に必須のスキルとなっています。社会の変革スピードは早く、RPAもExcelと同様に、これから皆さんが自由に活用できるレベルが、そういったスキルが求められる時代が迫ってきています。まだExcelを自由に使いこなせている自信がない方は、まずそこから始めてみてはいかがでしょうか。
前章で、「RPAはExcelのように、あらゆる人が扱うツールになる」と話をしました。言い換えれば、「あらゆる人がRPAを用いたシステム開発を行うようになる」ということです。
今まで、ITを活用した業務改善は、システム会社に開発の依頼を行うことがスタンダードでした。しかし、システム開発のハードルが下がることにより、あらゆる人がITツールを駆使して業務改善を行うことができるようになります。
現場担当者が自ら業務改善をできるようになると、「自身の業務を楽にできる」という高いモチベーションで業務改善に取り組むことができるようになり、これは大きなメリットとなります。しかし、システム開発の学習をしないまま、あらゆる人がRPAなどのシステム開発をするようになると、今までシステム会社に開発の依頼をしていたときは考えなくても良かった、あらゆる問題が発生してきます。特にリスクの観点でそれは顕著で、最悪大きなトラブルにつながりかねないということもあります。こうしたメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
「要件定義を自分で行うため、現場のニーズに沿った自動化が可能」
「業務変更によってシステム改修の必要が出てきても、自分で都度直すことができる」
「ロボットのメンテナンスやバグ対応が属人化し、今以上に引継ぎができなくなる」
「ロボットが行っている業務を誰も把握できず、プロセスが正しいかの判断ができない」
これらのメリットを享受し、デメリットを排除するためには、非IT人材の方々がIT人材となる教育が必要不可欠です。インソースではこれを「デジタル人材育成」と題し、強く推進をしています。
ここでは、RPAツールの1つであるWinActor®を使い、RPAの実際の動きを見ていただきます。見た目は、慣れないと少しとっつきにくいような印象を受けるかもしれませんが、色々学びながら実際に触ってみると、直感的に操作できる部分が多く、非常に使いやすいツールであるとお分かりになるかと思います。
※「WinActor®」はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
Excelでデータを準備して繰り返し実行をしていくことは、RPAの得意な業務です。以下の例は、Excelからの転記と、地図を検索して画像をキャプチャしていくRPAです。
RPAのフローは、プログラムを書かずに「記録」をすることができます。以下の例は、ブラウザ上で検索をして、データを更新するプログラムを、自動記録で登録したものです。
この状態から「4-2」のExcelからの操作と合わせてRPAを改良すれば、大体的にデータの一括更新システムを構築しなくても、データの更新、転記が自動で行えるようになります。RPAの良いところの1つとして、このように、普段使っている基幹システムや業務ごとのクラウドサービス、経費精算システムなど、多岐のサービスをまたいで、柔軟に対応ができることが挙げられます。項目やフォーマットがバラバラになっていても、RPAによって自動化をすることが可能です。
WinActor®は、クリックや保存、メール送信、読み込むまで待つなどのブロックがはじめからライブラリとして存在しており、これらを組み合わせることでプログラムが作られていきます。視覚的に分かりやすいため、自分以外の人が作ったプログラムも、何をしているかが分かりやすいという特徴があります。
動画の例では、フローの中で住所が旧住所と等しいか等しくないかで分岐をさせるプログラムを、ブロックの追加・移動とドロップダウンの選択などだけで行っています。各種パラメーターを追加や調整は必要ですが、基本的にはこの繰り返しでほとんどのプログラムが作られていきます。
ブロックの組み立てでプログラミングが組み立てられるとはいえ、考えるアルゴリズムやトライ&エラーを繰り返すことは、通常のプログラミングで行うものと同様です。システムを開発する人は、基本知識として、これら開発で気を付けるべきことやプログラミングに必要なアルゴリズムなどを必ず習得しています。非IT人材の方が1からこれを学ぶのはハードルが高いですが、ビジュアルで分かりやすく学んでいただくために、以下の研修を作成しました。小中学校の義務教育でも用いられているScratch言語を使い、プログラムに求められるアルゴリズムを学んでいただく研修です。
今までは、RPAのメリットを多く話してきましたが、RPAにもやらせるべきでないことがあります。PCを用いた事務作業のほとんどは自動化ができますが、以下のような業務は、作成自体が難しかったり、メンテナンスの手間が多くかかることがあります。そのため、RPA化自体が望ましくないものであったり、事前にそもそもの業務自体のスリム化が必要になってくるものであったりします。
ただし、このような業務でも一部をRPA化するなどは検討が可能です。こういったことも含めて業務を整理・削減することができれば、より適切にRPAの推進ができるようになります。これらの整理・削減の方法を学んでいただくのが、以下の研修です。
RPAについて話をお伺いしていると、「試してはみたが、結局導入がうまくいっていない」という声を聞くことが多くあります。その原因には、以下のことが障壁になっていることが多いです。
RPAに限ったことではありませんが、新しい仕組みの導入にあたっては、うまくいかないこともあります。全てを外部へ委託する前提ではなく、まずは現場担当者の協力を得て、自組織の力で進めていくことから始めるのも効果的です。そして、まずはスモールスタートでやってみることが重要です。最後に、何でも全てがRPAで解決できるとはそもそも思わないようにすべきということがあります。従来のシステムも良いところがあり、エクセルのマクロも良いところがあります。そういったツールも合わせて、柔軟に使い分けていくことができれば、RPA化がうまくいく可能性も大きくなります。RPAは汎用的に使いやすいものではありますが、全てRPAが良いということではなく、それぞれの特徴を生かして業務改善を考えていくことが重要です。
それでは、実際にどのような知識をつけ、どのような手順を踏めばRPAの導入がうまくいくのか見ていきましょう。以下では、5つの手順に分けて、それぞれに必要な知識を記載しています。
まずはRPAでどのようなことができるのか、自社の業務で何がRPAに向いているのかの知識をつけます。そもそもの知識がないと、改善すべき業務やその方針も理解できないため、まずは知識をつけることが重要です。少し脱線しますが、弊社では、AIをビジネスで活用する方法を学ぶ研修も用意しています。この研修も一緒に受けていただくことで、より広い観点での業務改善を考えていただくことができるようにもなります。
RPAの知識をつけたら、自社の業務でどの業務のRPA化を検討すればよいか考える必要が出てきます。研修でも導入までのステップを確実に踏めるレベルまで洗い出すことは可能ですが、実際に導入まで進めるとなると、より多くの関係者の声をまとめる必要が出てきます。関係者の声のとりまとめがうまくいかない場合は、弊社でご支援をさせていただくことも可能です。
対象業務の洗い出しや選定だけでなく、ツールを実際に試せるWinActor®の2ヶ月間の有償トライアルと合わせてのご支援も可能です。
RPA導入に向けて方針が見えたら、次はどのようなツールを使えば良いかを考えます。それぞれできること、できないことや使い勝手が変わるため、まずは何かしらのRPAツールを触ってみてから判断をすることをおすすめします。弊社では、主要な2つのRPAツールについて、まずは触ってみて比較いただくことを目的として、以下の研修を作成しています。それぞれの特徴の理解と、実際にいくつか操作を試していただき、自社にあったツールを考えてもらうことができます。
対象業務の洗い出しや選定だけでなく、ツールを実際に試せるWinActor®の2ヶ月間の有償トライアルと合わせてのご支援も可能です。
皆さんが行っている業務をRPA化するには、現状の業務をロボットに覚えさせるレベルで可視化し、分解をしていく必要があります。その際、整理や削減などの改善ができる業務があれば、事前に改善を済ませておくことで、効果的なRPAの活用ができます。このステップを踏まないと、ロボットも複雑なものばかり増え、RPAの恩恵を受けにくくなってしまいます。インソースでは、コンサルティングによる業務フロー可視化などのご支援だけでなく、業務を整理するスキルを身に付けていただくために以下研修を実施することもできます。
ツールを選定して、対象業務の整理まで完了したら、なるべく簡単にできそうなものからロボットを作ってみましょう。そのためには、ツールの使い方を理解することが重要です。インソースでは、RPAツール操作の習熟レベルに応じて以下の研修をご用意しています。WinActor®の初級編であれば、ツールを選定する前の状態でご受講をいただくのでも十分目的に合致している研修となります。
ここまで、RPAについて、またRPAの導入についていくつか話をさせていただきましたが、RPA導入までのハードルや障壁は低くなりましたでしょうか。インソースでは、研修に限らず、RPAの導入全般をご支援するコンサルティングサービスも行っております。
WinActor®であれば、2ヶ月間の有償トライアルをお申込みいただければ、導入のご支援と合わせて、2ヶ月間台数無制限でWinActor®を使うことができます。
インソースが提供するRPAソリューションの流れ(例)
以下に、インソースのRPA研修を一覧表でまとめております。RPA化を見据えた知識・業務整理スキル(PC不使用)を学ぶ研修、実際にRPAツールを使った開発スキルの向上研修などがございます。