《目次》「モニタリングとコミュニケーターの応対評価」
(1)「モニタリング」とは?
(2)組織・センターが考える「良い応対とは?」←今回
(3)評価の実際1「ケース・音源」について
(4)評価の実際2「評価項目」について
(5)評価の実際3「評価基準」について
(6)モニタリング結果のフィードバック
(7)モニタリング結果と上層部への報告
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コールセンターの存在意義(設置目的)やビジョン、成熟度によって「良し」とする基準が異なります。
■センターの存在意義(設置目的)
まず、センターの存在意義(設置目的)は、
1) 効率化が最大の目標の完全な事務処理型センター
2) セールスを最大の価値とするプロフィットセンター
3) お客様の利益実感が高まるCSセンター
4) 営業サポートのためのコールセンター
5) ユーザーサポートのヘルプデスク
・・・など、以下のような5点が考えられます。
たとえば、売上げ・受注を最重要視する、2)の セールスを最大の価値とするプロフィットセンターの場合、「販売力の高いコミュニケーターの会話が「良し」とされるのは当然です。
つまり、2)のセンターでは、「敬語が適切」より、「声が明るいか」「セールストークが巧み」「提案がある」がモニタリングに際して重視されます。
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■センターのビジョン
また、コールセンターのビジョンによっても「良さ」の定義は異なります。
同業の2つのコールセンターがあります。
・A社:業界では新興企業
⇒ビジョンは、「10年後に業界のトップブランドになること」
⇒対応のスピード感やフレキシブルかどうかが、
センターが重視するポイント
・B社:業界大手、最近、監督官庁の監査が入る
⇒ビジョンは、業界トップの地位の維持
⇒コンプライアンスなどの見直しが重要視され、手続きの安全性や説明力なども応対の評価に加えられている
このようにビジョンが、その組織が異なれば、品質の概念がまったく別のものになります。だからこそ、コール品質は各センター別に「最高品質」があり、いわゆる「一般解」は存在しないのです。
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■センターの成熟度
センター設立直後は、コミュニケーターの業務知識の安定が重要項目に挙げられます。
評価全体に対する知識についての配分が高くなる傾向にあります。時間の経過とともにセンターが成熟していくにつれ、求められるスキルが、顧客満足・営業センスなどに変化していくため、モニタリング項目もそれに呼応することになります。
いずれの場合でも、鉄則は「最高品質とはどんなものか」を具体的に決めることです。センター内の、「誰の」「どのような電話」がもっとも良いのかを具体的に決める組織における「良さ」の定義がモニタリングのスタートと言えるでしょう。
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