コールセンター業績アップ 勝てる秘策

 

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【最終回】「オペレータのメンタル面のフォロー」≪アウトバウンドの"現場"を語る≫(計3回)

【最終回】「オペレータのメンタル面のフォロー」≪アウトバウンドの"現場"を語る≫(計3回)

◇Sさん・プロフィール◇

アウトバウンド経験豊富なマネージャー。
コールセンターのリードスーパーバイザー・育成トレーナーとして、「窓口管理・クライアント対応の実践と指導」「オペレーターの稼動管理・育成」「センターの業務改善」「スーパーバイザーの育成」「マルチセンターの実現」「新規センターの立ち上げ」などに従事。コールセンターという職場環境から、幅広い年齢層とのコミュニケーション方法や管理育成方法を身につける。仕事をする意味など、人間的な成長まで考え、オペレータを指導する。

【第3回】「オペレータのメンタル面のフォロー」

◇質問者、◆Sさん 

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■インバウンド、アウトバウンドの仕事に求められる特性とは

◆インバウンドは待ち時間があります。待っていることを良しとするところがあります。反面、自分でかけるなんてことはできない、と。

アウトバウンドは、待っていられません。アウトバウンドの適性のある人は、ペースを握られてしまうのがいやなのです。アウトバウンドは自分で用意することができます。主導権はこちらにある。彼らは、向こうからいつ電話がかかってくるか分からない、何を言われるか分からない、という状況が耐えられないのですね。こういった適性が合致しないと、難しいですね。

◇確かに、自分でペースをつくれるかどうかは、かなりの違いがありますね。

◆私は最初はインバウンドを担当して、2日で辞めます、と申し出ました。電話が鳴らない時間、することがない時間、これにお金を払うのは勿体無いのではないか、と思ったからです。

担当のSVは「何もしなくてお金をもらえるんですよ、頭は違うことを考えていていいんですよ」、と引き止めました。"あ、駄目だ、私には"と思いました(笑) 。

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■メンタル面のフォローと離職率

◇メンタル面できつくなり、オペレータが辞めてしまうという問題がありますよね。メンタル面へのフォローや離職率については、どのようなケアをされていますか。

◆私自身は、親会社の管理がきちんとしていたこともあって、離職率で悩んだことはありません。社内環境が良くできていたので辞めないんですね。毎年2月、3月で4年制大学生が辞めていくという、時期的な入れ替えが主でした。

◇Sさんのところでは時期的なものだったんですね(笑)。それもやはり職場の空気が影響しているんでしょうね。

◆離職率が高いというのは、SVのフォローができていない、教育ができていない、ということなのだと思います。オペレータも自分の能力が上がるのは嬉しいですから、ある程度のスタンスで協力してあげる必要があります。こんなことができるようになった、という実感を持たせてあげることです。

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■声掛けと本人のための研修で信頼関係をつくる

◆あとはどうしても日々、嫌な電話を受けることがありますので、それはフォローしなければいけない。フォローしなければ、辞めていきます。コミュニケーション、声掛けが必要です。

◇コミュニケーションによるフォローですね。

◆電話を掛け始めてしまうと声は掛けられませんから、始めのうちから、朝やシフト前、5分間の休憩やお昼に声を掛けるのです。5分間の休憩の際には、こちらからブースに行く。そうしますと、嫌なことがあれば自分から言ってくるようになる。

◇最初に信頼関係をつくれるかどうかが大事なのですね。

◆最初にまず、ブースレビューがあります。その後もコンスタントに、3ヶ月に1回なり、スキル向上のための基本的な知識を入れてあげる。その間のメンタルのフォローも必要です。車座になってディスカッションをしたりもします。

◆アウトバウンドでは、2週間や1ヶ月に1、2回違う仕事を担当しますので、そのたびに業務研修があります。月に何度も研修がある訳ですが、そういった研修だけでなく、自分のためになる研修を用意する必要がありますね。

他でなく、ここのコールセンターにいる理由、このセンターがいい、と思ってもらうためにはそれが重要です。スキルが上がっていく実感があれば、ここにいれば自分が変われるかもしれない、と感じることができます。

◇その業務で終わらない、汎用性のある能力が身についていくということですね。

◆アウトバウンドは臨機応変に対応する力が必要になります。対応力というのは、例えば対応力研修のようなものでなく、もっと沢山の要素があって、日々のコミュニケーションや、色々なことがあって初めて身につく訳です。

ですから、日々そういった取り組みを続けていかないといけません。
この商品いいよね、絶対売れるよね、という仕事は多くありません。
対応力がなければ、そういった場合に本人たちが何も考えられなくなってしまいます。

◇オペレータの教育についても、本人にとって実りあるものかどうか、それを考えていたということですね。

◆教育の過程でセールスのテクニック、セールストークは指導しますが、やはり最初にマインド設定ができていれば、圧倒的に楽になりますね。

◇やはり最初が肝心なんですね。

◆そう、最初で変わってきます。

◇ありがとうございました。

 (終わり)

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