■CSとは?
そもそも「CS」とは何でしょうか?
「CS」の定義は非常に難しいのですが、弊社では、CSとは、"お客さまに関するすべてのこと"というように考えています。
ですから、電話応対もCSですし、お客さまが通る玄関を掃除しておくこともCSです。
単なる接遇やマナーではなく、お客さまに関わること"すべて"ということが、CSの基本的な定義です。
また、CSは「こういうものだ」という普遍的な答えが存在するわけではなく(講師やコンサルが答えを押しつけるものではなく)、各組織において、個別的に検討されるものだと思います。
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■問題点を洗い出す
まずCS改善は、自分の組織・部署のCSの課題やお客さまの問題点を洗い出すことから始まります。
そして、出揃った課題を整理して、緊急度と難易度をつけます。これでまず、最初にとりかかるべき、CSの課題がはっきりします。
もちろん、最初は緊急度が高く、難易度の低いものから取り掛かってください。
というのは、緊急度が低いものから取り掛かっても実効性は薄いですし、かといって、難易度の高いものから取りかかると時間が掛かってしまいます。
※課題の明確化と改善の取り組みに関しては、次回詳しくご説明します
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■月1回、30分のミーティング
また、職場のメンバーと短時間の会議を開くのも、問題点を発見する効果的な方法です。
月1回、30分の洗い出しミーティングを開催して、1人10個程度を目標として、重複しても構いませんから、気がついたものを書いてもらいます。
「三人寄れば文殊の知恵」ではないですが、職場のメンバーと30分くらいミーティングをするだけで、事例はいろいろ出てくると思います。
さらに、これを1年も続ければ、CSの課題の80%が洗い出され、どのクレームの頻度が一番高いか、どのクレームに対応するのが難しいかなど、社内のクレームに関する重要な情報が職場のメンバーの共通認識になります。
そして、この段階まで行えば、その意見をまとめれば、簡単な「応対マニュアル」が完成します。
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■理念としての目標
私どもが各社のコールセンターさまにお伺いする際に、必ずお聞きしていることがございます。
それは、コールセンターが、以下に挙げた中の、どの形のセンターを目指しているのかということです。
・効率化が最大の目標である、完全な「事務処理型のセンター」
・セールスに最大の価値を求める「プロフィットセンター」
・お客様の利用実感が高まる「CSセンター」
・・・等々、まだまだ目指すべきセンターの形は他にもあると思いますが、お話をお伺いすると、将来の目標やビジョンが明確化されていないセンターが多くあります。
率直にいえば、自社のセンターの目標は、入りたてのオペレータでも理解していなければいけないと考えていますが、実はSVでもすぐにセンターの目標について答えられないのが現状となっています。
逆にいえば、センターが「成功」するためのキーポイントは、「目標」をきっちりと設定し、さらに、その「目標」をセンター内に浸透させることではないかと考えます。
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■目標を周知させるためには
目標をセンター内に浸透させるには、
(1)目標を明文化する
(2)明文化したものをしっかりと掲示する
(3)目標を頻繁に言葉に出して説明する
(4)PCの壁紙やスクリーンセーバーで告知する
・・・等々の手法をとるのが有効ではないかと思います。
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■行動目標の作成
合わせて、センターの大きい目標を達成するためには、具体的な行動や数値目標を記した「行動目標」を作成する必要があります。
例えば、
・お客さまからお問い合わせがあったことに1週間以内に対応する
・商品説明のための保留をゼロにする
といったことが具体的な「行動目標」になりますが、これらの行動目標を導入する際には、その目標を個々のオペレータに徹底させるような個人レベルでの目標管理が必要になってきます。
今回のメルマガが、センターの大きな目標と、その具体的なアクション(行動目標)について、読者の皆さまが再考する契機となれば幸いです。