―――コールセンターで働き始めたのは、いつごろですか。
◆私がコールセンターに就職したのは、ちょうどコールセンターがどんどん設立され始めた時代、1998年くらいですね。
◆その頃はまだ主婦で、仕事をやめてからずいぶん経っていました。もともと喋ることは好きでしたし、習い始めたパソコンのスキルも活かせるかなと思ったことなどが、コールセンターの仕事を選んだ理由の1つです。
◆何も知らずに始めた仕事でしたが、とても面白くて。「知らないことを知ること」や、「新しいことをすること」がすごく楽しかったです。
◆はじめに配属された部署が、大手通信会社の内部にあるコールセンターだったのですが、幸い申し込み専門の部署でクレーム対応をしなかったこともあり、嫌だと思ったことは一度もありませんでした。
◆そこで、色々な仕事をさせていただきましたが、2年くらい経った頃、契約期間がそれまでの半年から1年に変わり、動きづらくなったことと、また、新しいことをしたくなったこともありまして、今度はベンダー系ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)のコールセンターに転職しました。
◆そのセンターは書類を扱う作業が多く、それにともなうミスも多発しており、当時非常に業務効率が悪い状態でした。
そこで業務改善に乗り出したわけですが、通信会社時代の最後の頃に業務改善を担当していた際に行った、改善方法を取り入れてみたところ、効果がテキメンに現れました。
―――どのような業務改善をされたのですか?
◆まず、コミュニケーターの後ろに立って、1コールごとの事務処理時間をストップウォッチで計るなど、いやらしい話ですが、誰がどれだけ仕事をしているのかをチェックしたりしました。
◆それから、業務フローをつくったり、チェックの徹底したり必要なシステムを導入したりしました。そのおかげで、ミスが激減し、それにともなって飛躍的に処理量がアップしました。
―――通信会社での経験がそのまま役に立ったんですね。
◆そうですね。やはり場所は変わっても、上手くいかない原因は同じなんですよね。「経験上、こうじゃないかな」と予測してやったことで結果が出せたのも、そのせいだと思います。
ですから、目新しさはありませんが、当たり前のことを当たり前にやる。これが地味なようでとても大切なことですね。
―――平田さんが入社されるまでは、当たり前のことをやろうという人がいなかったのでしょうか。
◆私が入社するまでは、センターを立ち上げたメンバーが作ったやり方をずっと踏襲していまして、誰も見直す人がいませんでした。
人間は不思議なもので、他を知らないと、それが当たり前だと思ってしまうんですよね。疑う目を持つことが無いんです。
◆「なぜ人数の割に処理件数が上がらないんだろう」「残業しているのになぜ仕事が終わらないんだろう」。その答えは必ず現状の中にあります。
◆何が問題なのかを見つけ出すための目が持てるかどうかが、大きな分かれ道です。
それは何も特別なことではありませんが、内部の人間には難しいのも事実です。私がISPのコールセンターの問題点に気づくことができたのも、新鮮な目で現状を見つめることができたからでしょう。
◆ですから、何か改善のお悩みをお持ちの職場には、現状を見直すという意味で、外部のコンサルタントや新しい人材の登用をお勧めします。
※宣伝ですが、インソースでは、都銀初のコールセンターを構築・運営するなど、"黎明期"からコールセンターを知る経験豊富なメンバーが、コールセンターの立ち上げ・構築からミステリーコール(コールチェック)に至るまで、貴社の現状に合わせた最適な改善方法をご提案いたしております。