■前回の内容
「顧客満足とは」~お客さまは「何」によって満足を感じるのか?
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■本文
前回、私が顧客の立場で感じた「満足」について書きました。
満足のベースとなった部分は「ニーズにぴったり」ということは明らかです。
どのような組織・企業であったとしても、私は「品質」というものが「お客さまの満足」を支える一つと考えます(満足の要素には「価格」や「商品・サービスのネームバリュー」等もありますから「品質」は大きな比重を占めても、あくまでも要素の一つです)。
コールセンターでこの「品質」を問う場合、大きく分けて「業務知識」と「応対レベル」の2つです。
では、まず、業務知識から。
■周辺事情まで含めた正確な業務知識を身につけるためには
一言で業務知識と言っても、以下のように、その範囲は幅広いものです。
(1)商品・サービスそのものに対する知識
(2)デリバリーや社内の業務連携
(3)同業他社に関する知識
知識を新しいオペレーターに習得させる際、スーパーバイザーは業務知識の専門性など、「難易度」ばかりを気にしてしまいがちです。しかしそれとともに、お客さまはどういった質問をよくお尋ねになるのかという「頻度」の視点も重要です。
コールセンターのコンサルティングでは、この「難易度」と「頻度」の2つの軸によって、調査時のケースを選定しています。
次に応対レベルです。
業務知識と応対レベルの関係は、料理とサービスする人の関係に似ていると私は考えています。
高級料理であれば、サービスの仕方が優雅で丁寧。がしゃん、と食器を置かれることは、まず、ありません。
つまり、商品によって応対レベルの期待値があります。商品レベルに対してサービスの提供レベルが悪ければ、かなり「悪い印象」→「不満足」となります。
どんなに深い知識(高級料理)があっても、応対スキル(お客さまの目の前に提供するサービス)が悪ければ、お客さまにとって「悪い印象」にしかならないと言えます。
ですから、業務知識と応対スキルの両方が大切なのです。深い業務知識を持つコミュニケーターがたくさん居るのに、応対レベルが上がらないとしたら、大変にもったいないことです。
どのような応対が、自社にふさわしいのか。どのような応対が、自社を利用するお客さまの期待に添うのか。これらを具体的に落とし込んだ観点からオペレーターの応対を判断することが、お客さま視点の満足度調査だと考えます。
(つづく)