■前回の内容
「満足をもたらす要素」~業務知識と応対レベルの両方が大切
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■本文
インソースの川端でございます。
前回は、コールセンターの"品質"は、「業務知識」と「応対レベル」の2つの軸から考えられることをご説明しました。いくら深い業務知識があっても、応対のレベルが低ければ、顧客満足にはつながらないということです。
そこで今回は、顧客満足をもたらす最大のポイント、「心情理解」について考えていきます。
心情理解のためには、お客さまの理解状況について細やかな配慮ができるか、間や確認を適宜織り込めるか、さらには、お客さまの心の機微を読み取り、それにあわせて親身な対応ができるかが問われます。
つまり、オペレーターが自分自身の都合ではなく、まずお客さまを第一に考え、その姿勢がお客さまにもしっかり伝わっていることが求められます。温かみのない事務的な対応では、結果的にお客さまが希望していた回答に行き着いたとしても、お客さまが抱く印象はいいものにはなりません。
また、お客さまが回答に満足できなかった場合に、事務的な対応をしてしまうと、お客さまが抱く印象は更に悪くなってしまいます。
お客さまに良い印象を持っていただくため、ひいては自社のファンを育てていくために、常にお客さまの心情に沿った応対をすることが求められます。
それでは、具体的に心情理解が「高い」オペレーターと「低い」オペレーターの特徴を挙げてみましょう。
■心情理解が"高い"オペレーターの特徴
・お客さまの"時間"を考慮して、所要時間を前置きしている
・お客さまがメモする時間を確保するためにゆっくり話したり、
繰り返したりする
・お客さまが考えるための"間"を取り、理解度を確認しながら
会話を進めている
・お客さまの問い合わせ内容の周辺状況を確認する言葉
かけや、真の目的を理解しようとする姿勢がある
・説明のレベルをお客さまに合わせて変えることができる
このように、心情理解が高いオペレータは、常にお客さまを優先していることがわかります。逆に、心情理解が低いオペレータは、自身の都合を優先させる傾向があります。
■心情理解が"低い"オペレータの特徴
・お客さまの言葉をさえぎる
・話すテンポが画一的で不自然。
もしくは、お客さまのテンポと合っていない
・高圧的でお客さまの気持ちに配慮がない
・お客さまの質問には回答できるが、
オペレータからの質問がなく、積極性が
感じられない。
・知識不足からあいまいな説明で濁して
しまう。逆に知識が豊富な場合、専門用語の
多用があり、お客さまの疎外感や不安感を
あおってしまう
■心情理解のスキル:改善策
短期間で、あるいは表面的なスキルだけで、心情理解のスキルを改善するのは非常に困難です。では、心情理解の深めるためにはどうすればよいのでしょうか。
・一方的な応対をしているオペレータは、自分が「一方的である」ことに気づいていない場合が多いので、録音した応対テープを基に、まずそのことを自己認識させ、注意を促しましょう。
・お客さまの立場で"気持ちを分かってもらえた"と感じるのはどのような場合かをオペレータ自身が考える必要があります。
あわせて、他者がどう考え・感じるのかについて理解を深めるためのディスカッションや、センター内における意見の共有などを通じて、理解・実感したことを現場での言動に反映させることがポイントです。
オペレータは常に、お客さまへの共感を表明しつつ、積極的に支援するなど、お客さまの心情や要望に応える応対を意識しなければなりません。
こうした姿勢で応対に臨んでいれば、次第に、意識せずとも"自然に"温かさのにじみ出る、親身な応対ができるようになります。
(つづく)