■内製化は負担も大きいが、それ以上のメリットがある
コールセンターのタイプは様々です。受信を主とする「インバウンド型」、発信主とする「アウトバウンド型」。また、コールセンターの形態も大きく2つに分けられます。迅速な立ち上げが可能で管理負担が少ない業務委託の「アウトソース型」、コールセンターの社内で立ち上げ、継続的に管理していく「インハウス(内製)型」です。
「インハウス(内製)型」の立ち上げには、設備・ノウハウを一から収集し、形にしていくという大きな初期投資が必要であり、人材・設備・システムについても継続的に管理する必要があるため、企業側の負担が大きいと考えらています。
しかし「内製化」には大きなメリットがあるのです。
■内製化最大のメリット「顧客満足度の向上」
「インハウス型」のコールセンターでは自社の商品を自社の人が売り、自社の商品を自社でフォローしています。自社のことをよく知っているからこそ、お客さまに良い対応をできるのはもちろん、自分の雇われている会社に対するロイヤリティが高いのは言うまでもありません。また、オペレーターと組織が一体化することで、「従業員満足度」も上がり、結果的に「顧客満足度の向上」にもつながるというわけです。
一方、「アウトソース型」のオペレーターにとっては、電話の相手もお客さまなら、クライアントもお客さまということになります。ですから、決められた要件は着実にクリアできたとしても、それ以上の対応を期待することはできません。また、アウトソーサーの都合で、熟練したオペレーターが突然、配置換えに合うということも多いため、決して効率がいいとは言えません。
「インハウス型」には、会社にとって最も重要視されるべき「顧客満足度の向上」というメリットがあるのです。
■内製化への原動力「コスト要因」
実際にコールセンターを内製化する動きは活発化しています。その原動力となる一番の要因は「コスト要因」です。
どの企業も非正規社員採用を増やすことに意欲的で、コスト的にも「アウトソース」するより、アルバイトを採用するほうが有効であると考える企業が多いからです。企業がコールセンターに同じコストをかけるとしたら、「アウトソース」よりも「インハウス」のほうが必然的にオペレーターに支払われる給料も上がります。オペレーターにとってモチベーションが上がるのは言うまでもありません。
■内製化に向いているコールセンターとは?
「内製化」にはいろいろなメリットがありますが、何でもかんでも「インハウス型」にしてしまえるわけではありません。
大規模なコールセンターを急いで立ち上げるという場合は断然、「アウトソース型」が有利です。その一番の理由は「インハウス」においては、大量のオペレーターの採用をすぐに行うことが難しいからです。ですからコスト面でのデメリットについては「時間を買う」と考え、「アウトソース型」にすするか、それでも内製化をしたい場合は、派遣やアウトソースと組み合わせたコールセンターを立ち上げるという方法もあります。
したがって、内製化に向いているのは「時間があって着実につくりたい」場合であり、その規模が小規模であればあるほど、有効であると考えられます。また、「企業のブランドイメージ」がいい会社であれば、内製化向きです。なぜなら、オペレーターの採用に企業名を活かすことができるからです。もしも、アルバイトをするなら、聞いたことのない「アウトソース」の会社よりも「ビッグネーム」の方が、安心感もステイタスも感じられるものです。
☆次回は「コールセンター内製化のススメ(後編)」です。お楽しみに!
■インソース「企業内研修」・「コンサルティング」
~みなさまのご要望に応じて研修を実施
~「良い」「売れる」電話応対のポイントを学び、それらを演習で実践してスキルを定着化
~「オペレーター」「SV」「中堅・管理職」「センター長」など階層別に分かれた"30"を超える充実ラインナップ
~「コールの良し悪しの判断」や「オペレーターの指導」、「センターの目標を実現させる」スキルを身につける
~貴社でヒアリングをし、オーダーメイドの電話応対チェックシート作成。それに応じて、より現場に即したコールチェック、評価実施