■「部下指導」のポイント(3)~効果的な「ほめ方」
残念ながら、人は、他人の良い所より悪い所(欠点)に注目してしまう傾向があり、「ほめる」ことを忘れがちです。効果的に部下をほめて、モチベーションを上げるポイントは以下の通りです。
※効果的なほめ方
A:ほめる基本
ア.小さなことでもほめる
イ.ほめる部分を積極的に見つける
B:効果的なほめ方
ア.(事実を)具体的に・部分を
イ.タイミングを外さず(すぐに)
ウ.気まぐれにほめない(でも、ほめないよりはマシ)
弊社インソースの研修では、自分が言われて嬉しい言葉、ほめ言葉リストをできるだけたくさん記入していただきます。
5分間で30個のほめ言葉が出てくる方は「ほめマスター」です。
しかし、研修ではなかなかほめ言葉がたくさん思いつきません。
研修では、そのように、自分が持っている"ほめ方"ボキャブラリーの少なさを実感していただいた上で、ほめ方のレクチャーを行います。
■「部下指導」のポイント(4)~叱ることはリーダーの「責任」と自覚する
部下を叱ることは誰でも嫌ですが、叱ることを避けるのは、「責任の放棄」であるとともに、部下を「育てることの放棄」でもあります。
部下を説得したり、ほめたりすることと同じように、叱ることは部下とコミュニケーションを図ることでもあります。
まず、「叱り方」の基本は、以下のようなことではないでしょうか。
※「叱り方」の基本
ア.自分の気持ち、考えを部下に適切に伝える。
イ.表情や態度なども効果的に使う。
ウ.言い分を聞く。
エ.叱られる相手の状況や心理状態を理解し、それに合せた叱り方をする。
また、効果的に叱るためには、手順も大切です。
※「叱り方」の手順
【ステップ1】叱る内容を整理する
~原則として取り上げることは1つ。あれもこれも言わない!
【ステップ2】叱るタイミングと場所を決める
~緊急なトラブルや、重大な規則違反はその場で叱る。
そうでない場合は、部下の仕事が一段落したときに、
会議室などで1対1で叱る。原則、みんなの前では叱らない
【ステップ3】リーダーとして、自分の考えと気持ちを伝える
~「なぜ叱るか」の理由を簡潔に話す。
その言動や行動が部下にとってふさわしくないことを伝え、反応を見る。
【ステップ4】部下の言い分を聞く
~どうしても自分の気持ちを一方的に話しがちになるので気をつける。
部下がどのように感じているのかを必ず聞くようにする。
自分の指摘に対してどう思うかを確認。弁解や反論がある場合も一通り聞く。
【ステップ5】期待を告げる
~「もっと伸びてほしいので叱る」という旨をはっきりと伝え、激励する。
【ステップ6】フォローする
~叱られるとほとんどの人は気持ちが混乱する。
時間を置いて、「その後の改善状況」などを必ず話し合う。